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ここが、セグラル自然渓谷村…。俺は目の前に広がる広大な自然に目を見開いた。
草が茂った、モンスターや動物が沢山いる草原の中に、何かを飲み込もうとするように、巨大な自然が豊かな渓谷が口を開けている。
そしてその渓谷の中にはファンタジックなこじんまりとした家が何件も並んでいた。風車も数台並んでいて、完全に自給自足をしているということを物語っていた。
こんなに自然が豊かな、きれいなところが何度も天変地異に襲われているなんて、信じがたかった。
「あの山の山頂のところに、冥界の主柱があるんだなぁ。傍から見ると、そんな物騒な代物が置いてあるとは思えないんだけどなぁ。」
リグはそう言いながら、渓谷に沿って連なっている山の中でひときわ大きい山の山頂を指さした。
「うわぁ、この山に例の冥界の主柱があるのね。こんなに普通な山に見えるのに。」
リイナも驚いたように言葉を発した。
確かに、傍から見るととてつもなく普通な、これ以上普通にするにはどうすればいいのかわからないくらい普通な山だ。
「ほら、ここが今日から一ヶ月くらい俺たちが泊まる宿だ。迷子になったりするなよ?」
そう言いながらリグが入った宿の看板には、〈旅荘 蒼虎帝宿〉とかいてあった。
すると突然、フェレールが声を上げた。
「この宿、世界の宿ランキング一位になったこともある、超有名宿じゃん!
傍から見ると質素な宿だけど、内装と饗しがとてつもないって話で、それまでは隠れ穴場だったらしいよ!」
へー?よくわかんないけど、有名な、高級宿ということがわかった。
「そうだぞ、みんな。ここの宿を予約するために、どれだけの魔力を消費したか…。
というわけで、そのことを踏まえて遠征依頼に励んでね。」
リグが得意げにみんなに自慢をする話を見事に聞き流しながら、俺は考えた。
なんで宿を予約するために魔力を消費するんだ…?←話を聞いてる証
すると、セサが俺の心を読んだように、小声で話しかけてきた。
「宿を予約する連絡をするときに、魔力を少し消費するんだ。だから、人気宿に予約の連絡を何度も入れようとして、毎回満員で予約できなかったっていうことだと思うよ。」
あー、そういうことか!本当に、セサは気が利く!
そんなことを話しながら宿に入ると…、はっきり言って、度肝を抜かれた。
メタリックな色の壁、黒と白の大理石の市松柄の床、高級人工石フィオレストーン製のカウンター、天井にはシャンデリアとおしゃれなランタン風照明、廊下には真紅で金色の見事な刺繍が施された絨毯(レッドカーペット)。
周りを観察しながら部屋に案内されると、そこは温かみのある高級木材、ミャンマーチークの壁と、同じく高級木材のスネークウッドの柱、薄い灰色っぽい、それでいておしゃれな絨毯は床全面に張り巡らされて、天井には温かみのあるランタンのような照明。目の前に並ぶ家具は、おそらく金貨500枚(50万)相当のものだろう。
目の前に広がる超高級の物たちに、俺たちは目を見開いていた。
「まさか…噂には聞いていたけど、写真撮影は禁止らしくって、内装は調べられなかったのよ。この宿は半永久的魔法除け魔法がかかってるから、魔法の力を用いても見れなかった。でも、ここまで高級なものを揃えているとなると、呆れるを通り越して尊敬するわ。」
フェレールが目を見開きながら言うと、俺たちもそうだ、と言わんばかりにみんなも頷いた。
しばらくして目の前の光景に慣れてくると、俺たちは思い思いの場所に散らばっていった。
俺は壁一面に広がる窓の外にある雄大な自然を見ながら寝転がれるソファーに陣取った。
そのままうつらうつらとしてきて…俺は眠りに落ちた。