テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,530
511
黒星
6
偽りだらけのこの世の中にこれは確実真実なるものがあった。
それは世界を牛耳る国家の政治家でもなければ世界で有名な歌手でもない。
彼らはとある国の田舎に住む恋人同士。そんな者たちが今日何故だか主人公となる。
凡人も主人公になれる時はある、頑張りたまえ。
その彼氏は健二といった。
彼は勇気というものがなかった。それ故に彼が先に好きになったのにも関わらず、
彼女の小百合に告白させたのだ。
彼はその事をずっと今まで気にしている。これからも続くであろう。
そして、先に話した彼女は小百合であった。
小百合は彼が自分のこと好きなことに気づき、いつの間にか好きになってしまっていた。
そして彼が告白して来ないのについに限界が来て、自分から好きだと伝えた。
彼女は彼よりも行動が早かった。
とある公園で2人がデートをしていた。
「これあげる」
小百合はポッケからキーホルダーを取り出し、健二に渡した。
それは某遊園地のネズミのキャラクターであった。
「え!嬉しいありがとう」
健二はキーホルダーを包むように握った。
「お揃いだよ」
小百合は健二にあげたキーホルダーの女バージョンを見せた。
それを見るに健二は幸福とは言いがたいそれ以上のものになった。
セミが成虫になり、その喜びをミーンミーンと歌う時のようになりたいと彼は
初めて思うほどであった。
その瞬間、彼にビビビっと頭に何か電流が駆け上がった。
「………!!」
(このお返しどうしよう!!)
そう!彼はこのキーホルダーと同等のお返しの品を選ばなければならない!!
彼に年頃の女が求めるような品を見つけ出すセンスなどなかった。
それ故に彼はやはり悩むのだ。悩まなければならないのだ。
(やってやる…!小百合ちゃんの心を掴む!そんな物を見つけ出す!!)
そんな彼の気合の入った心の声など知らずに小百合はブランコを漕いでいた。
コメント
1件
読ませていただきました。健二くんの「お返しどうしよう!」という焦り、すごく共感しました。勇気が出せずに彼女に告白させてしまったことをずっと気にしている繊細さと、キーホルダーをもらって「やってやる!」と奮起するギャップが愛おしいです。小百合さんの行動力も素敵で、この二人の距離感がこれからどう変わっていくのか、とても気になります。続きが楽しみです🌷