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好きです。ほんとに好きです。チョコレートになりたi
口に放り込んだビターチョコレート
舌の上で溶ける物体
苦いカカオの香りが 鼻からすっと抜ける
「ん”〜…」
まだ甘い。
「失敗か、」
君がくれた”チョコレート”は
もっと複雑で
もっともっと苦くて
柔らかかった。
「もっと、、、」
苦くて、苦くて、苦い。
甘さなんて、感じないくらいに。
ドロドロに溶けてしまいそうな。
そんな、
“恋心(チョコレート)”
「うーーん、、まぁいいか」
今年はこんなもんだ。
_ピーンポーン
「あ、はーい。」
扉を開けた先
「やーほっ」
ふわりと微笑む 彼が見える
「珍しいじゃん、こんな日に呼ぶとか。」
「まあな。暇やったし」
「そっか、w」
俺らの関係は決していいものでは無い。
今迄 見ず知らずだった他人
身体だけの関係
ネットで知り合った、所謂 セフレ。
「ん…?チョコの匂い、?」
「え、もう彼氏出来たん?」
「いや?出来とらんよ ただ作っただけ
消費にも困るし、お前呼んだんよ」
「あー…ね」
てっきりチョコ作りの手伝いとして呼ばれたんかと思ったわー、と笑いとばす彼
この家にすっかり馴染んでしまっていて
もう 居ないと変な感覚に陥ってしまう。
「はぁぁぁ…
もうまろの事呼ばんとこ思っとったんに、、」
「え”っ?!?!酷い!なんで?!俺なんかした?!」
「ちゃうねん…依存してまいそうで怖いねん」
「…すればいいじゃん、そーゆー関係なんだし」
「俺にもお前にも、それぞれ人生があるんよ…」
「まろに恋人ができた時、依存しとったら辛いやん、やから早めに切ってしまいたかったんよ」
「……」
「でもあかんわ!もう手遅れかもしれんな!w」
何となく気恥ずかしくなって
作ったチョコレートを口に放り込む
変わらず苦い味が舌に絡まりついて
「んっ、?!」
その舌は、彼の舌と絡んだ
「ま、っ、んんむ”ッ」
「……」
チョコレートを舐めとるように
丁寧に 丁寧に口内を舐める
「……っ、」
ゾクゾクと感じてしまうのは 一体何故なのだろう
「…っは、、ふっはぁ」
やっと離された口
必死に空気を取り込む
「っ急に…なんやねん、」
袖で口を拭いながら彼を睨むと
チョコレートを堪能するかのように
彼は目を瞑って 口を動かしていた
「…これ、さ」
「……?」
確かめるように 1つチョコレートを取って、
また口に入れる
「…元彼のこと…思って作った、やろ」
「へ、?」
「昔言っとった。
酔ってて覚えとらんかもしれんけど…」
“すげぇ苦くて、どろどろな彼氏が昔はおってんけどな”
「忘れられないって、、いつも笑ってた」
“酷い事された記憶はあるんやけど”
「それでも好きなんておかしいかなって」
“依存癖あんねんな。治さないと。”
「あにき。」
立ち尽くす俺の腰に手を添えて
もう一度唇を奪う
「ねぇ…そんなに元彼が忘れらんない、?」
「っ、」
「俺は……?俺じゃ、、だめ?」
「俺はもっと、溺れるくらい愛してあげる
苦いのも、甘いのもあげるよ」
ゆっくりと床に押し倒される
冷たいフローリングが体を支えた
「俺にしろよ、悠佑」
震えるような低音は 脳まで響き 心を揺らす
_俺はどーお?
そんなセリフが脳に蘇る
_悠…
「悠佑、こっちを見て、」
「っ」
「他の奴の事なんて、考えないで」
「俺は悠佑が好きだよ、
ずっと好きだった愛してるよ」
「俺だけを見て、依存して、愛して」
「わかった?」
「…わかった、♡」
「!、、ん……いい子、、」
落とされるキスは心地いい
迫ってくる指さえ
今はもう”チョコレート”材料になり果てて。
「俺の事だけ、見とけよ」
ぜってぇ逃がさねぇから。