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それでは~
どうぞ!
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Minami side
哀じゃなくて愛が欲しかった。
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Yoka side
🩷「う“うう、あ“あ!!!」
冷たいガラス越しに魘されている子。
実験番号ーM1226。物心着く頃からこの実験施設で生きてきた少女。
透明な白い肌に美しい黒髪。まるで兎のような可愛らしい顔立ち。
こんなにも可愛いのに世界は彼女を特異生物として扱う。
彼女が一体どんなことをしたのかは知らない。知ろうとも思わない。
すると目が覚めこちらに気づいたようで彼女は微笑んでいた。
🩷「よーかちゃん!今日も来てくれたんだね!!」
今さっきの魘された声とは裏腹に未渚美はべた、とガラス越しに手をつけて私の名前を呼んだ。
💜「そうだよ~!元気そうでなにより!」
心拍数、血圧、酸素も問題ない。
今日も異常なし、…と。
その場から立ち去ろうとすると
🩷「ねえ、よーかちゃん。みいまだ話したい。」
私はこの甘えるような声に弱い。実験体の彼女に情なんてないはずなのに、どうも足が止まってしまう。
お願い、そんな目で見ないで。…
🩷「よーかちゃんはさ、みいのこと好き?」
ああ、まただ。これで何回目だろう。
何回も何回も答えを濁してきた。
実験体の彼女は研究材料であり、それ以上でも、以下でもない。
なのに答えてしまうと何か壊れてしまいそうで…、
眉をひそめ悩んでいる私に彼女は続ける。
🩷「私が好き、?よーかちゃんさ、。今までみいの名前呼んでくれなかったよ、?」
しかし彼女は私が‘この世の全て‘であるように見つめていた。
💜「……だからさ、私は。」
段々胸が締め付けられて痛くなる。
答えちゃいけない、情を与えてしまう。
彼女は未知数の能力を持っているんだから。
人間なんか、人間なんかじゃな、いんだ…
🩷「みい、わかるよ。」
お願い、もう言わないで。
貴女に愛を与えられたのなら、貴女がこの世で人間として生まれてくることができれば、素直に愛してやれたのかも知れない。
でも現実は最大限のすまし顔でやり過ごさなけらばならない。
こんなの馬鹿げてる。
🩷「みい、人間じゃないんでしょ、?」
🩷「みいに自由なんてもとから。…」
💜「お願い、やめて。」
未渚美の全て悟ったような声に悪寒が走る。
お願い、何も知らないで。
そのままの貴女が1番美しんだから。
🩷「よーかちゃん、一度でいいから。、みいの名前を呼んで。」
💜「ねえ、」
ガラスに彼女の手が触れた瞬間建物が微かに揺れた。
ねえ、貴女は何を考えてるの?全部そのまま教えてよ。
🩷「みいは誰にも愛されてなかったの、?」
🩷「みいは生きてちゃダメなの、…?」
🩷「助けてよ、よーかちゃん」
それは私に叶えられることなの?
貴女は私に何を求めているの?
でも結局は何かが狂ってしまいそうなことだけはわかる。
どうせ最後の灯火でさえ、苦しくなるのだから。
💜「未渚美、私はっ、」
🩷「ありがとう、よーかちゃん」
🩷「言わなくたって分かってる。、」
モニターから異常を示す音が鳴る。
それは常人では検知されないような数字。
『分かっちゃったんだ。みい要らないね。』
『汚してしまいそうだったから』
🩷「どうかしちゃった愛を」
周りにはもう貴女を縛るものなんてないよ。
実験体の彼女は潔く自身を見つけたようだ。
『また、会えることを願って』
業火の中に包まれた施設から1人
走って逃げていく姿が近くの監視カメラに写っていた。
end…