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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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♡苦しい朝
最近は寝た後必ず見る夢がある。
白くモヤがかって見える、おぼろ気な夢。
今日も見たんだ。
その夢を。
「あれ、な〜ちゃん?」
誰…?
そう言おうと思ったのに、喉が枯れたように声が出なくて、それでも目の前のモヤがかった子は察したようにこう言う。
「僕はーーーーーーーーだよ。」
いつもこう言う肝心なところだけ聞こえない。
モヤがかって何も見えないけど性別ならわかる。
きっと男の子だと思う。
可愛らしい声をしているが、少し低めだ。
「なーちゃん、ーーーーーーー。」
いつも見る場面。
聞こえなくなる声。
どうしてだろう。
少し悲しくなる。
この子の声が優しいからだろうか。
よくわからないまま私は夢から覚めてしまったーーーー。
私は、ベットから降りて顔を洗った。
なのあ
「あれ、奈乃愛ちゃん?」
ふと、後ろから嫌な声がした。振り返るといつもニタニタした顔で見てくる。
ひらの
「平野さん…。」
若くて、普通の体型の声が低くて、いつもニタニタしている人。
私が名前を呼ぶと平野さんは言う。
そういち
「え〜、草一でいいよ〜。」
そう言ってハグしてくる平野さん。
気持ち悪い。
体を少し後ろに引くと、耳元でささやいてくる。
「逃げちゃだ〜め。」
そう言いながら私の髪の毛を手ですくい上げてくる。
本当に嫌だ。この手つきが、この声が。
私の両親が亡くなった後に私を引き取ってくれたくれた人だけど、断ればよかった。
「奈乃愛ちゃん、ご飯食べよっか。」
そう言って私の頬にキスまでしてきた。
「やめてください。」
私はキスされた頬を拭う。
「ははっ、前は素直にされていたじゃないか。」
何その好んでされてたみたいな言い方。
私は平野さんを無視して、ご飯に手をつけた。
「あーあ。奈乃愛ちゃん、僕は悲しいよ。」
そう言いながらご飯を食べている私にノソノソ近づいてくる。
来ないで!
私はご飯を吸い込む勢いで急いで食べて、部屋に駆け込んだ。
「あっ!菜乃愛ちゃん!」
私を呼ぶ平野さんを無視して思いっきりドアを閉めた。
はぁっ…、本当に、誰か助けて…。
私の心の声は誰かに聞こえるはずもなく、私は急いで学校の準備をして、平野さんの隙をついて家を出た。
コメント
1件
ふる003さん、初話お疲れさまです🥀 モヤがかった夢の「聞こえない名前」が静かに不穏で、掴めないまま目が覚める感じがすごく好きでした。「なーちゃん」と呼ぶ声が優しいだけに、悲しさがじわっと残ります。そして現実の平野さんの粘つく距離感…「逃げちゃだ〜め」の一言が本当にゾッとして、菜乃愛ちゃんの「誰か助けて」に胸が締まりました。夢の子が彼女の逃げ場所になってくれたらいいな、と続きが気になります🌙