今日は短いです
「ぐはっ………………!?!?!?」
腹に千切れるような痛みが走る。木刀が腹に食い込み、後方に飛ばされる。地面にぶち当たり、背中に衝撃が来る。
「いったぁ…………」
蘭は顔を上げ、育手___橘渡を睨むように見上げた。
「痛い…」
「立て。」
「はい…!」
橘は顔に「華」と描いた布を貼っている。蘭の顔にも「花」と描いた布が貼られている。視界が遮られて何も見えない。うっすらと光を感じるだけで、周りの風景は見えない。橘曰く、この状態で鍛錬をすることで布を剥がした時にもっと素早く戦えるという。
「花の呼吸、弐の型、御影梅」
橘が木刀を振る。白と桃色の軌道を描き、蘭の腹部を狙ってくる。
「花の呼吸肆の型、紅花衣!」
大きく跳ねて、円を描くように刀を振る。御影梅の攻撃を避け、地面に着地する。顔に貼った布が揺れる。
「伍の型、徒の芍薬」
連続で攻撃される。芍薬の花びらのような軌道を描き、心臓あたりを狙われる。___避けられない。
「がっ!?!?」
鳩尾を9回突かれ、あまりの激痛に倒れる。
「もう一度だ。」
「ッ!はい!!!」
「っ!!壱の型!轟!」
「伍の型、鳴弦奏奏」
「ぅわあ!!!!!」
育手、音喜多が懐に太刀をぶち込む。後方に飛ばされ、地面に対し浅い角度で滑るように着地する。
「伍の型、鳴弦奏奏っ!!」
鼓膜を破るような轟音と共に、鮮やかな閃光が奔る。音喜多を見下ろすように、上から二本の木刀で垂直に攻撃する。だが音喜多は木刀で攻撃を止めた。ガチンと音がして、尊の木刀が折れる。
「ッ!?!?!?」
「なかなか成長したなぁ。次は真剣で鍛錬だ。」
「は、はい!!」
「さぁ、来い」
「壱の型、轟!伍の型、鳴弦奏奏!肆の型、響斬無間!」
連続で呼吸を連発する。刀を後ろに振り、その反動で前に飛ぶ。轟で視界が遮られ、音喜多も困惑しているようだった。鳴弦奏奏で相手の攻撃を躱し、響斬無間で斬りかかる。流石の音喜多も弟子の成長に驚いているのだろう。呼吸を使わずに刀で攻撃を止めた。火花が散り、音喜多の袖を焼いた。
「…尊、俺はお前を認める。」
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