誰の前だと思ってんの?
夜の薄明かりの中、いるまはらんをベッドに押し倒した。
「お前、また来たん?」
「だって会いたかったんだもん…/」
らんの甘えた声に、いるまは冷たい瞳を一瞬だけ緩める。
「……今日だけだぞ」
パーカーを乱暴に脱がせ、肌を這う指先にらんが息を呑む。
「やっ/……いるま、そんなに強く触らないで//……」
「お前が好き勝手甘えるから、仕方ねぇだろ」
腰をゆっくりと擦りつけ、らんの身体をじらす。
「もう我慢できねぇ…」
いるまはゆっくりベッドの中へ押し込み、静かな夜に二人の吐息と熱い鼓動だけが響いた。
「んっ//……いるま……はやいよ/……でも、すき//……」
「声出せ。誰の前だと思ってる」
「いるまの前だけ//……」
らんの頬が熱く染まり、震えながらも目を閉じる。
「好きだよ、らん。誰よりも、お前だけ」
二人の距離は確かに縮まっていた。