俺は、今追いかけられている。
毎日同じことの繰り返しだ。
なのにどうしてこんな焦っているのか。
それは、、、
「冬野くんッ!」
そう、俺は、、、
「心臓ちょうだい?」
「あとねッ、、、血も欲しいなッ?」
毎日、吸血鬼に追われている。
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遡ること数日前…
「紅?今日は、夏祭りがあるでしょう?」
「うん、あるね」
「で、市長がスピーチ。」
「うん。」
「そこを狙って市長を始末しなさい」
「と、ボスが」
「分かった。」
普通、始末なんて言葉が家庭内で出ることは無いだろう。
だけど俺の家は、そんな言葉が出てくるのは日常茶飯事だ。
それは、、、俺の家が殺し屋だからだ。
「終わったら、、、祭りどころじゃないでしょうけど、、、祭り、行ってきていいわよ。」
「その前に行った方が絶対いいでしょ」
市長が殺された後に、祭り楽しんでる方が怪しまれるでしょ、、、
楽しまないだろうけど、、、
「そうね」
「じゃあ、学校行ってくるから」
「行ってらっしゃい」
ガチャ
トコトコ
「そこのお姉さん〜俺らと楽しいこと、しない?」
ん?なんだ?
「嫌です、話してください」
、、、ん?
「いいからさぁ〜」
「あの、その子嫌がってるんですけど?」
「なんだ兄ちゃん、俺ら、今からこの子と遊ぶんだけど〜?」
「そうだ、そうだ〜」
「、、、警察呼びますよ。」
「ッ、、、チッ、お前、覚えてろよ。」
そう言って男達はどこかへ行ってしまった。
「あ、あのっ!」
「なんですか?」
「この写真の人、知りませんか?」
ヒラッ
そう言って見せられた写真には、市長が写っていた。
「、、、此処の市長ですね」
「!ありがとうございますッ!」
「今日ってその市長が出るイベントみたいなのありますか?」
「今日、お祭りがあって、それに市長は出ます。」
「ありがとうございます。」
「後もう一つ、、、」
「なんですか?」
「食べ物、血、、、を下さ、、、」
バタッ
「え、、、」
食べ物が欲しいのか、、、
血とか言ってなかったか?
まぁ、、、気のせいだろう、、、
とにかく、、、この子を放置して食べ物をとってきてもこの子が危ないし、、、
おんぶして、家に運ぶか、、、
母さんはまだ家にいるはず、、、
「よっ、、、」
か、軽い、、、食事とってないのか、、、?
とりあえず行くか、、、
「ガブッ、、、」
ッ、、、?
なんだ?刺された?いやそういう痛みじゃない、、、
噛まれた?
誰だ?
「ジュルッ、、、」
まさか、、、この女、、、
「、、、ありがとうございますッ!、、、でも、まだ足りません、、、」
「血をくださいッ!」
「はぁ?無理、何言ってんの?ってかなんで人の血吸ってんだよ」
「、、、なんで?って言われても私、吸血鬼ですから。」
今、こいつはなんて言った?
「だから!吸血鬼ですッ!」
「は?今、俺の心読んだ?」
「あ、」
一旦落ち着け、、、
ふぅ、、、
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「つまり、お前は吸血鬼で、血が足りなくて、俺の血を飲んだと?」
「はい!理解が早くて助かりますッ!」
「、、、」
吸血鬼とか、、、存在したんだ、、、
「意外といますよ?」
「お前、、、やっぱ人の心読んでるよな、、、」
「そんなことは、、、」
、、、コイツ多分バカだな
「あ!今バカって、、、あ、、、」
「、、、で、お前は心が読めるの?」
「、、、はい」
「ふぅ〜ん」
「そんなことより、血をくださいッ!」
「名前も知らねぇやつに血も何もあげねぇよ!」
「菅野蒼ですッ!」
「名乗ったので血をください!」
「あげねぇよ!」
コイツどんだけ血が欲しいんだ?
「いっぱいです、、、」
「だから人の心を読むな!」
「はい、、、」
「あ!じゃあ、心臓をくださいッ!」
「心臓を貰えば、一生他の人の血を飲まないで済むんですよ!」
「心臓なんて、もっとあげられねぇよ!!」
「え〜、、、じゃあ何ならいいんですか?」
「俺の体以外」
「それは嫌です、、、」
コイツなんで俺の体食べたいんだよ、、、
もはや吸血鬼じゃなくて、、、捕食者だな、、、
「吸血鬼ですッ!」
「そういえば貴方だけ、タメ口なの私が後輩みたいなので嫌ですッ!」
「じゃあ、お前もタメ口で喋れば、、、」
「あ!貴方の名前なんですか?知らないといつか血と心臓貰えないじゃないですか!」
「はぁ?無茶苦茶だな、、、」
「で、名前はなんですか?」
「俺の名前は、冬野紅だ。」
「冬野くんッ!」
「なんだよ」
「コイツとかお前とかじゃ嫌だから私の名前も呼んでッ!」
「、、、蒼」
「はいッ!」
「あ、あと手伝って貰いたいことがあるんだけど、、、」
「あ?」
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「いいか、足は引っ張るなよ?」
「分かってる!」
「えー、今から○○市市長、典正隆のスピーチです。」
「始まった、、、」
「いいか?」
「いいよ」
「市長が倒れたぞ!救急車を呼べッ!!」
「成功?」
「嗚呼成功だ。」
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「あ、あと手伝って貰いたいことがあるんだけど、、、」
「あ?」
「これは誰にも言わないで欲しい話なんだけど、、、」
「嗚呼言わねぇよ」
言ったところで俺に得があるわけじゃないしな
「実は、、、私、殺し屋なの」
「へぇ〜」
「、、、驚かないの?」
「だって俺も殺し屋だし?」
「え、冬野くんも?」
「うん」
「意外、、、」
マジでコイツ失礼だな、、、
「意外ってなんだよ」
「まぁ、、、とにかく、手伝って欲しいってのは、、、」
「市長、、、典正隆を始末するのを手伝って欲しいの」
「嗚呼いいぞ」
「いいの?」
どうせ俺もそいつ始末する予定だったし、ちょうどいいか、、、
「勿論一発で仕留められるよねッ?」
「当たり前だろ」
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「成功?」
「嗚呼成功だ。」
「一発だったねっ!」
「嗚呼、、、もう寝たい、、、」
「、、、冬野くんッ!またねッ!」
「嗚呼」
ん?今またねって言ったか?また会う気かよ、、、
それよりはやく家に帰りたい、、、
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「紅、大事な話があるの」
「何?」
「これからは、、、一人では到底出来ないような任務を任される。」
「うん」
「だからボスが紅と相方になる子を選んだの、、、」
ん?なんかものすごく嫌な予感が、、、
「その子がね、、、吸血鬼なの、、、」
「で、、、家に挨拶にきたの、、、」
、、、まさか
「初めましてッ!菅野蒼ですッ!」
終わった、、、
「って、、、え?」
「冬野くん?」
「あら、、、知り合いだったの?」
「ま、まぁ、、、」
「さっき市長を一緒に始末しましたッ!ねっ?」
「あ、嗚呼」
言わなくていいだろッ!!
「相方にピッタリでよかったじゃないか蒼!」
「そんなに仲が良かったとは、、、良かったわね紅」
「あはは、、、」
「ピッタリ、、、ってことは、、、冬野くん、、、」
終わった(2回目の)
「血、、、吸ってもいい?」
「無理」
「いつならいい〜?」
「いつでもダメだろ、、、でもまぁ100年後に俺の心臓をやる、それに100年後お前が生きてるかわかんないしな、、、俺の心臓が欲しければ100年生きろってことだ」
「、、、今から私、冬野くんの血より心臓を狙うねッ?」
「無理」
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