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#魔法
こはる
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植まどか
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こはる
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第67話
量がえげつない。街に出てしまう。
それに……谷平さんが思ったより強い。だけど、それでも回らない数だ。千は余裕でいるだろう。
これでも、百匹は倒したはず。無限に出てくる魔法陣か何かじゃないとこんなに召喚なんて不可能。
私は、ペンダントを握った。握ると、相手のペンダントが光る仕組みだ。
その相手は、ノア。カナルに行った時に渡したペンダントだ。
多分、気づいてくれていると思う。
……ノア。無事でいて。お願い。
「うわっ!……いつもの五倍は強いぞ……何が起こった?」
谷平さんは、そのキモい物体たちに押されているけど、私がそこに向かって剣を一振りしたら消滅した。
「天変地異ってやつかな? これがどうだかは知らないけれど、珍しくは無いですよ」
「てんぺん……なんだって?」
「天変地異。人間にはコントロールできない規模の大きな異常現象です」
「そうか……よく分からないが、強くなったんだな」
私の説明した意味……
「取り敢えず、片っ端から潰せばいいんだろ。直ぐに済ませるぞ」
「はぁ……犯人が面倒な人ってのは何となく見えてるけど……保安局行きかな」
この犯人は多分、裏の世界にいる魔導師の中でも、エリート。どのくらい強いのかは判断できない。
私は、そう言いながら星霊の剣に変えて、いつものように走った。
怖くは無いと思ってるのに、手が震える。何でだろう……?
少しすると、数の勢いが増してきた。このままでは、街に流出する。
ってか、疲れた。一応、私は体力は少ない。
「もうそろそろ、マズイんじゃないか?」
「えぇ……マズイ事になってきましたね……」
もう、何百匹倒したか分からない。キモいやつは、無限に湧き出てくる。
魔法は使ってなかったから、魔力は有り余ってるけど、筋肉が疲れた。明日は筋肉痛決定。
「セリーナは、魔法とか使えないのか?」
「使えますけど……まぁ、使っちゃいますか」
万が一の時のために取っておいた魔力を使った。疲労回復魔法と、雷魔法。今世の世界の魔力だ。
雷は、取り敢えずの所落として……言うて、何十匹しか殺せないけど。
「凄いな」
「取り敢えずですよ。もう少し暴れますか」
「そうだな」
そう言って、私たちは、千を優に超えるキモい物体の群れに突っ込んだ。
……ってか、谷平さんと、高橋さんって何者? このレベルの強さの世界では、強いんじゃない?
戦ってる最中、小石に躓いた。でも、攻撃がくる。闇属性だろう。
当たったら、無事では無い。でも、体が動かない。もう既に、足か何かに筋肉が動かなくなるような魔法がかけられているのだろう。
マズイ。死ぬかも……
そう思って目をギュッと瞑った。死の覚悟はできている。
ごめんなさい……
でも、攻撃は来なかった。風が少し吹いたような気がする。
ゆっくり目を開けると、ノアが目の前のやつを斬っていた。
ノアっ!
「リナ! 大丈夫か? それに、何だ? この変なヘドロみたいな気色悪い物体は……」
「斬れば直ぐに消えるから、大丈夫よ。でも、量がえげつないの。それに、魔法か何かで立てなくなった」
多分、呪い。それか、星霊の剣の反動。どちらか。
「運ぶから、じっとしてろ。休まなすぎ」
「え?」
何? 運ぶ?
私の疑問符の嵐をガン無視して、姫抱っこをした。
いやいや……教えてないよ。姫抱きなんて……
少し歩くと、そっと私の事を木の影に座らせた。
「ここで休んでろ。リナは最近、無理をしてる」
「そんな事ないよ。それに、休んでるばかりじゃいけないし、まだ動ける」
私は立ち上がろうとしたけど、上手く力が入らない。
くそっ……魔法でどうにか……
「駄目だ。無理をしないでくれ。最近、リナが笑ってる所をあまり見なくなった。張り詰めてるんじゃないのか?」
それは……否定できない。
だって、ニルスさんがエリカと出て行った今、お母さんとお父さんだって、心配させられないし、カールさんにマリーさんだって……
それに、沢山の人たちがいる。心配かけられないし、傷つけたくない。
それに、笑顔ができなくなった。怖い。呑気に笑ってなんかいられない殆の何かが迫ってきてる。
「……ごめん。私、心配させちゃった」
「謝ってほしい訳じゃないけど……取り敢えず、話は、終わってからじっくり話そう」
「うん」
私は、頷いた。
ノアも頷いた。
だけど、怖い。どこか逝ってしまうのではないかって……
いつもなら、泣いているのに、泣けない。なぜだろう……?
段々小さくなっていくノアの背中を見つめながら、独り震えていた。
コメント
1件
第68話、読んだよ…。 セリーナが「怖くないのに手が震える」ってとこ、すごく苦しくなった。ノアが姫抱っこして「無理してる」って言ったシーンは特に刺さった…。笑顔を作れないまま戦い続ける彼女の心中が痛いほど伝わってきた。 「泣きたいのに泣けない」っていう感覚、重い作品だからこそ描けるものだと思う。こはるさんの繊細な心理描写、本当に好きです…😢