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#魔法
こはる
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植まどか
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こはる
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〜涙と笑顔を忘れた少女〜
第68話
「■■■。ここで待っててね。迎えに行くから」
「うん。お母さん。待ってるね」
私は、七歳の頃にそうしてお母さんを無くした。
それで、変なおじさんに拾われて、変な学校に通わされた。
もう、感情なんて私には必要ないと思って何も考えない事にした。
変な男たちに囲まれたら倒す。誘拐されそうになったら、飛ばす。
そうして独りで生きてきた。
そんな孤独の日々の中、星霊の剣に出会った。捨てられて三年目にされるがままに連れてこられた森の中で、「持ってみろ」と言われた剣がこれ。
私にしかできないらしい。
いつものように振ろうとしたら、素早くて、力もいらないような感覚。使いやすい。
……でも、私は憎まれているらしい。毎日、理不尽に怒鳴られる。別に、言われたとて行動に移さないけど。
そんな日々が十年続いた。今は、二十歳。
最近、犬の獣人が抑えてくれているのか、そこそこ安全。別に入ってこないし、話しかけてこないから無視している。
でも、抑えてくれているからって苦しいのは変わらない。
だって、感情を捨てても、涙はいつまでもついてくるのだから。
「やめ、うぐっ……」
「■■■っ! 早く出てこないと、お前の所為で命が犠牲になるぞ」
知らない、犠牲……
私は、久しぶりに怖いという感情が出てきた。
あいつの所為で、普通の生活を送れない。
外からはあいつのお陰で私が剣を持てたって事になる。それだけは絶対に許せない。
私は、ゆっくり扉を開けた。
「出てきましたが、何か?」
私は、その獣人くんを手元に持ってきて治癒した。
「おい! 勝手に何をやっている」
「やりたい事。それ以上でも、それ以下でも無い」
私はそう言って扉を閉めて強化魔法をかけた。
「あの、貴女は……?」
さっきの獣人が私の後ろで、耳をへたらせながらもじもじと立っている。
「私は、■■■よ。貴方は?」
「俺は■■■。見ての通り、追放された獣人だ」
どこかで、見た事あるような……気の所為か。
「あの人が立ち去るまでここで待ってて。そして、もう、私の事庇わなくていいから」
「え? でも……辛いんじゃ……」
「辛いけど、これは私に与えられた使命。それを逆らってる人間なんだから、世間から見たら私は悪よ。それを履き違えないで」
彼は頷いてからそのまま寝てしまった。
❂
「……うっ……」
私は唸りながら目を開けた。
「リナ。大丈夫か?」
「うんっ……」
私は、起き上がった。
ここは……見た事ある。昔の私が住んでいた家だ。
木目のフローリングに、白い壁紙。見た事あるクローゼット部屋が隣にあって、電気は自分で選んだやつだ。
奇々怪々とは、こういう事かな?
「駄目だ……お願いだからっ……」
そう言ってノアが泣き始めた。ノアの泣き顔なんて、久しぶりに見た。
ノア……
「確かに今回は、限界だった。ごめん。でも、そんな事ならないようにするから」
「そうじゃないっ! 怖いんだ……いつかリナが、感情を全部なくしてしまいそうで……」
感情を無くす……
思い返してみれば、今は感情が一番無いかもしれない。
言われてみて初めて気づいたかも。感情なんて、あまり気にしてなかったから……
「ごめん。そんな心配させてて……でも、大丈夫だよ。私は孤独ではないんだから」
「それでも……無理は辞めてくれ……」
「うん」
「笑顔でも、泣いてでも、不機嫌でもいいから、感情を出してくれ」
「うん」
「休んでくれ」
「うん」
私は、頷きながらノアの胸の内にあった気持ちをうけとった。
いつの間にか、ノアは寝落ちしていた。張り詰めていたのだろうか……
「ノア。入るわよ」
その声は、高橋さんでは無かった。
誰……強い人……
でも、谷平さんまでとは言わない。けれど、高橋さんくらいはある。
扉が開いた。私は身構えていたけど、相手はそんな気は全く無いみたい。
「あら……はじめまして。私は佐藤悠里よ。今日は、色々とあって谷平に呼び出されたの」
あれから何があったんだ……?
「ふふふっ。貴女の事は良く聞いているわ。ゆっくり休んでて頂戴」
「それは……」
「貴女は、疲労で倒れたって高橋さんに言われたんだから、大人しく寝てた方がいいわ。一応、高橋さんは、医師を目指していたのだし」
……大人しく従うか。
倒せない事はないし、逆らう必要性も無い。
「分かりました。でも、一つ質問したい事があるんですけど……」
「何?」
「谷平さんのお母様って、夏蓮っていう名前だったりしますか?」
「合ってるけど……それで?」
「私の前世……ここの地主だったんですよ」
「は……?」
案の定、悠里さんも、唖然としていたけど、扉を開けかけていた谷平さんも、扉の向こうで固まった。
コメント
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第69話読み終えたよ! ノアがリナの感情喪失を怖がって泣くシーン、すごくグッときた…「笑顔でも泣いてでも感情出してくれ」って言葉に、ずっと1人で戦ってきたリナがやっと孤独じゃないって気づけた感じがしてじーんとしたよ。最後の前世の話も気になる展開!続き楽しみにしてる🔥