昼休み、グラウンドは笑い声と歓声に包まれていた。あちこちでカップルがハチマキ交換しているのを見て、🌸は少しだけ照れくさそうにしている。
そこに、北信介が淡々と歩み寄る。
背筋はまっすぐ、顔はいつも通り無表情に近い。
「……🌸、他の奴ら見てどうするんや。交換したいんか?」
関西弁で淡々と問いかけるその声には、微妙に圧がある。
無理に笑わせようとせず、でも言うことはしっかり伝わる。
「……うん、したい……かも」
その答えに、しんちゃんは微かに目を細めた。
表情は変わらないけれど、指先だけが軽く動いて、彼女の頭に触れる。
「ほな、俺のハチマキ。つけとき」
丁寧に、正確に結んでくれる。
髪に触れる指は少し冷たいけど、動きは柔らかく、無駄がない。
「……しっかり巻かんと、すぐ曲がるやろ。
……ほれ、これで完璧や」
言葉は淡々としてるけど、実際は自分がしっかりして守ってやるという意思が込められている。
「次、🌸の貸して」
差し出したハチマキを受け取り、
首にくるっと巻く。
「……これでええか?」
「うん……しんちゃんの匂いする」
その言葉に、しんちゃんの瞳が少しだけ柔らかくなる。
感情を表に出さず、でも心の中では嬉しいとわかる。
「……俺のやから、他の奴に見せんなや。
今日一日はずっとそばおるからな」
淡々と告げるけど、その声には独占欲が滲む。
近くを通る他の男子たちも、彼の落ち着いた圧に思わず視線を逸らす。
「体育祭終わったら、少しだけ甘やかす。
そのために、今日は我慢やで」
普段の冷静さのまま、静かに愛情を伝える。
でも、その一言で🌸の胸はぽかぽかと暖かくなる。
「……しんちゃん、ありがとう」
「……当たり前やろ。
俺の彼女や、ちゃんと守るのは当然や」
手をぎゅっと握るその感触は強く、でも無理なく自然だった。
「……さて、写真でも撮るか。今日の証拠としてな」
スマホを取り出し、淡々と撮影するが、画面の中の🌸はしんちゃんの目にだけ特別に映っている。
コメント
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まずい鼻血が、🥸ポタポタ