第2章「仄暗い願い」その24
中庭の人影は、少なかった。
時折(ときおり)、外で稽古(けいこ)をしているらしい生徒の姿が見えるが、ベンチに座ってのんびりしているのは、どうやら修介一人らしい。
開けた場所に人の気配があるおかげで、修介は安心して待ち人たちを迎(むか)えることができそうだった。
「権堂くん!」
先に現れたのは姫乃だった。
思ったより遅かったのは、東海林と着替えながら話し込んでいたからだろうか……いや、一方的に姫乃が喋っていたのかもしれないけれど。
「おまたせ!」
「香島は一緒じゃないんだね」
「うん。まだ更衣室かもね。男の子は着替えるのが早いと思ってたから、ちょっと意外だよ」
「話が盛り上がってるのかもね」
修介の隣に座りながら言う姫乃にそう返すと、ふと沈黙が落ちる。
中庭に、セリフの練習をしている声が響(ひび)いてきた。
課題発表は目前。
どこ************************
**********************
*********
**********
********************
*********
*****
*****************************
コメント
1件