第2章「仄暗い願い」その25
「――どうしたの、権堂くん」
修介が聞き込み結果を話した二日後の、放課後。
一組から五組まである俳優コースのクラスの、ちょうど中央。
その廊下、吹き抜けを囲う低い壁のそばで、修介と姫乃は話をしていた。
二人の前を、それぞれの練習に向かう俳優コースの生徒の波が流れていく。
「それが、ね……綾咲さん」
神妙な表情で、修介が口を開いた。
「……安藤を陥(おとし)いれた犯人が……いるかもしれないんだよ」
「えっ……!」
思わず、と言った様子で、姫乃がきょろきょろ辺りを見回す。
修介も合わせて視線を動かすが、皆それぞれの目的地に移動するか、自分たちのお喋りに夢中なように見えた。
――ぱっと見は。
「どういうことなの?」
姫乃は声を抑えてそう告げる。
いくら自分たちが注視されていないとはいえ、修介たちの近くにも生徒の姿はある。
聞かれな***************
**********
**********************
****************
***********************
********************
*******************
*****************************
続きはVIPプランで読みましょう
10,000以上のストーリーが読み放題
VIP限定ストーリーが読める
広告表示なし
いつでもキャンセル可能。