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「あ!二人とも~!どう?お話しできた?」
「ありがと、涼兄ぃ」
そろそろお昼ごはんの時間だね、って言っておうちのなかに戻ってきたら、涼架さんと鉢合わせた。昨日までより、朝より、ちょっとだけ距離が近くなったのは、涼架さんも感じてるかな。
「ぜーんぜん!僕も久々にお昼寝してきたぁ、二度寝か」
「……久々じゃないだろ」
なんだか、勇気出して“お兄ちゃん”って呼んでみたら、少しだけ、少しだけだよ、僕のお兄ちゃんなんだなって思えるようになったような、なってないような……。
「でも、色々収穫があったみたいだし、よかったね」
「まぁな。俺の元貴のこと、少し詳しくなれた気がするよ」
「ふふ、もとき君、滉斗の袖握ってるのかわいい~!」
あ、無意識だった。手を繋ぐ勇気はないけど、触れてたいから、あいだ取って、みたいな感じかな。
お兄ちゃんがいるんだって思うと、すっごく甘えたい僕と、いやダメだよ迷惑だよって僕が出てきて。“寂しかったんだよ!”、“辛かったんだよ!”って言いたいけど、申し訳ないというか、勇気が出なくて。
「滉斗、すごく必死だったもんね。兄弟っていいなぁ」
「……涼兄ぃは、俺の兄ちゃんだろ」
そう言うことじゃないよぉ、血の繋がりが…………。とかなんとか言ってる涼架さんに、兄ちゃんは兄ちゃんだ、とだけ言ってずんずん進む滉斗お兄ちゃん。なんか、この景色前にも見たな。
「元貴は、どこにいても俺の大切な弟だからな」
僕の頭を相変わらず雑に、でも今までで一番優しく撫でる滉斗お兄ちゃんの手。
……ねぇ、もし、もしだよ?僕がまたいなくなったら、どうするの?
「探すよ、何回だって。でもな、俺的には、もう元貴は自分でいなくなることはない気がする」
そうなのかな。確かに、ここにいちゃいけないんだ、とはあまり思わなくなったけど……。
探してくれるんだ、僕のこと。何回でも、何十回でも。
「俺たちは、大森だ」
なんで突然?
そうだよ、僕は、僕とお兄ちゃんは、大森元貴と大森滉斗だよ。でも、改めて言われると不思議な感じだな。
「おかえり、元貴」
……ただいま、お兄ちゃん。やっと帰ってこれたよ、お兄ちゃんのところ。本当は、お父さんのところに二人で帰りたかったけど、欲張りはよくないや。
「服、あれじゃなくて良いのか?」
あれ?あ、ずっと持ってたやつのこと?
昨日まではあれじゃなきゃ絶対嫌だった。けど、今日はね、なんだか他の服でも着れそうな気がしたから。まだ、捨ててはないけどね。
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コメント
3件
大森さん、話全体を通して初めて、『ひろとさん』と発言しなかった… このまま、若井さんに完全に甘えられるようになって、手を繋げてられるといいですね!! 若井さんのことを心の底から”お兄ちゃん”と言えた時、孤児院の服を捨てそう… なんとなくですが、もう一波乱以上ありそうな気がします…! 続き楽しみたい待ってます!!