厨房に意見を伝えると、皆は直ぐに賛成してくれた。
「これで、武官の方たちも少しは喜ばれますね」
「そうですね。」
沐宇様に褒めてもらったこととか、自分の意見が通ったことが嬉しくてつい頬が緩む。そんな俺の頬を両手で挟み、ぐいっと持ち上げる。
「っ…!?」
「ご褒美、入りますか?」
悪戯な笑顔を浮かべ、俺を見下ろす彼。
「こ、ここは廊下です!!」
正論をぶちかますと、面食らった顔で離してくれた。
「す、すみません…」
我に返って謝りだす帝はとても愛らしくてにやけずにはいられない。
バレないように袖の裾で顔を隠し、二人で部屋にもどった。
数日、穏やかな時を過ごし、安心し始めた頃。
俺は、眠っている間に起こされた。
「dnqさん、起きてください」
「…?なんですか…」
「美姫の侍女が毒殺されました…」
「!?」
沐宇様の話だと、何者かが毒を盛ったらしい。それは、瑞華一族が栽培している植物が使われた物だそうだ。
「…恐らく、一族の誰かが侵入している恐れがあるということです
…そして、一族は間違いなく貴方を狙っています」
「…!」
全身が強張る。いつ、殺されてもおかしくない状況…
「貴方のことは私が守ります。
…しかし、貴方のことがバレないよう、名前で呼ぶのは…控えようかと」
「それがいいです、っ…」
怖くて涙があふれる俺の肩を抱き、静かに、優しく、俺を包んだ。
コメント
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なんとか、なにも大事が起こらずに上手く丸く収まってほしいですが… 命の危険があるのはさすがにドキドキで恐ろしいですね… 甘々と、恐ろしいのと、感情が大変なことになってます‥‼︎

二人で支え合いつつ難易度ハードコア設定な世界をいい感じに越えてきたと思ったらまた危険がっ((( ;゚Д゚)))どうか二人とも生きのびてくださいいいい(;´Д⊂)
⋯ちょいと瑞華にmfdnの良さ語るついでに〆てきます