『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
第8頁 いつもとは違う雰囲気で。
月曜日。学校が終わり、私とロノは校門の外で待ち合わせをすることになっている。
キーンコーンカーンコーン…。
キーンコーンカーンコーン…。
『よし、じゃあ、行きますか。』
『花澄さん、お気を付けて。』
『うん!』
私は第三寮の自分の部屋にダッシュする。
『まず私服に着替えて…。よし、フルーレとアモンに連絡しないと。』
『あ、もしもし、フルーレ、アモ――』
ガチャッ。
『髪なら俺にお任せっすよ!』
『メイクなら俺が!』
(待ち構えてた?って位早いね。)
2人に髪とメイクをやってもらい、私は寮を出る。
一方その頃。
『出来ました、ロノさん。』
『うんうん。かっこいい。』
『そ、そうですか?』
『楽しんで来いよ、花澄とのデート。ばっしり決めてこい。』
『はい!』
俺は校門前に急ぐ。
『『あっ。』』
その前に寮門でロノとばったり会う。
『ロノも寮に居たんだね。』
『は、はい。』
『『…。』』
(花澄さんの私服…可愛い。)
(ロノの私服なんて見慣れないから…新鮮。)
『じ、じゃあ行きましょうか。えっと…花澄、さん。』
『!うん!』
照れながら差し出されたロノの手をギュッと握る。
(いつもとは違う感じで、花澄さんをエスコートしよう。よしっ。)
『花澄さん。今日は俺が絶対楽しませますから!』
『うん、楽しみ。』
(くっ。笑顔が可愛すぎる……。)
『ここです、俺が花澄さんと行きたかったところ。』
『遊園地?』
『はい、絶叫系大丈夫ですか?』
『うん!大好物!』
『じゃあ早速乗りましょう!』
『うん!』
私とロノはありとあらゆる絶叫系を乗り尽くした。
『きゃー!』
『すっげぇ風!!』
吹き抜ける風を楽しみながら横顔を見つめる。
(花澄さんの横顔…可愛いな。良かった、楽しんでもらえて。)
数時間後。
『楽しかった〜。ねぇロノ、お腹空かない?』
『確かに空きましたね……あ、売店ありますよ。』
『ソフトクリームにクレープにたい焼きもある。何にしよっかな〜。』
『俺買ってきますよ、何がいいですか?』
『うーん、クレープで!』
『分かりました、待っててくださいね!』
ロノは嬉しそうに走っていく。
『お待たせました。花澄さんがこっちのいちごチョコです。』
『美味しそう!ありがとう、ロノ。ん、美味しい!ねぇ、ロノも食べてみて?』
『え、あ、は、はい。』
もぐっ。
『どう?』
『っ、お、美味しい、です。』
(これ…間接…キス。だよな。)
『?どうして顔真っ赤にしてるの?』
『…間接キス…。しちゃいましたね。』
『…っ!!』
(やっぱり無自覚か……タチわりぃ…っ。
まぁ、そんなとこが好きなんだけどな…。)
『あ、花澄さん!観覧車!乗りましょう!』
『観覧車?』
『はい!観覧車の頂上で見る夜景が綺麗だって有名なんですよ!』
『うん!行きたい!』
私たちは観覧車へ向かう。
『楽しみだな〜。』
『……。』
(2人きりの密室…。俺から提案したけどなんか緊張してきたな…。よし、頑張れ俺!)
観覧車に乗り、夜景を楽しむ。
『あ、あれ学校かな?大きいから目立つな…。』
『そうですね…。っ、あの、花澄さん。』
『ん?』
『…俺、花澄さんのこと、本気で好きです。
あの二人には…渡したくないです。』
『っ…。』
『俺の事、ただの後輩じゃなくて…男として見てほしいです。』
俺は花澄さんの手を取り、チュッとキスをする。
『ロ、ロノ……。』
(あれ…ロノってこんなにかっこよかったっけ…。凄く…ドキドキする…っ。)
『…顔、真っ赤ですよ。』
『っ、ロノのせい…だから…』
(可愛い…。ホント可愛いな…っ。)
俺はグッと何かを堪えて花澄さんから離れる。
『あの二人に負けるつもりはありませんから。俺。』
『う、うん…。』
私はドキドキを隠しきれないまま、観覧車を下りる最後までロノを見ることが出来なかった。
そして、学校に帰り、私とロノは第三寮の女子寮の門で別れる。
『今日は楽しかった、ありがとう。ロノ。』
『はい!俺も楽しかったです!おやすみなさい、花澄さん。』
『うん、おやすみ、ロノ。』
お互い手を振り、ロノは男子寮の門に入っていく。
『この調子じゃこれからのデート持たないかも…っ。』
『可愛すぎんだろ…っ。くそ…っ。』
(渡したくねぇ……。)
次回
第9頁 大人な色気。
コメント
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フルーレとアモン絶対事前に計画立ててた!てか主ちゃん絶叫系乗れるのすごっ! そしてロノ!主ちゃんが可愛いのは常識です!テストに出るので覚えときましょう!