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「裏切り者…?」
俺とは思えないほどか細い声が出た。
「実はさっき、蒼天から連絡があって…蒼天に反乱予告?みたいな手紙が来たんだって」
「べるさん…で、でもさ、なんでそれがおどみんに裏切り者がいる理由になるのさ…」
「…」
おどろくさんが俺に紙を渡してきた。
紙を開くと、文章が書いてあった。
『蒼天の皆様へ、
私は貴方達の行動に我慢できなくなりました。私は蒼天への反乱を宣言します。
仲間にも迷惑をかけます。でも無理なんです。貴方達は最低なことをしたんだから。
今までありがとうございました。
おどみんの最低な裏切り者より』
「………………………」
俺は思わず紙を落とす。
「…馬鹿じゃない…?この人」
少しだけでも平然を装う。
「わざわざおどみんの裏切り者ですって書くなんて…あ、なるほど、敵がわざとこういうことを書いて俺たちを疑心暗鬼に…」
「さもさん」
いつもののんびりとした声じゃない、真面目なリーダーとしてのおどろくさんの声。
「気持ちは分かる…けど…」
「………おどみんに裏切り者がいる事実は変わらない。」
「………………………」
「………皆今日はゆっくり休んで、今後のことは、また明日話すよ。」
俺たちは無言のまま、それぞれの部屋に戻っていった。
「………………………」
ベットに寝転がって天井を見つめる。
おどみんに裏切り者がいる。
その事実はもう変わらない。
…おどみんに来てから、俺の人生は変わった。
ななっし〜という友達が出来て、皆に優しくしてもらえて…
裏切った人も、昔の俺みたいに、辛いことがあったんだと思う。
あの手紙の文字…
何故かとても悲しくて、辛くて、どうしようもない…そんな感じがした。
翌日の朝、リビングの空気は気まずかった。
朝食も、食欲が無くて残した。
「さもくん…」
隣の椅子に座っているななっし〜が、小さい声で話しかけてきた。
「大丈夫かな…」
「…分かんない」
ここに来るまでずっと一人だった。
仲間が出来て…裏切り者がいるなんて…こんな経験したことない。
「……………え」
ななっし〜が俺の手を握ってきた。
気付かなかったけど、俺の体は震えていた。もちろんななっし〜の体も…
「大丈夫…きっと大丈夫…」
「…………………」
冷たくなってた心が、暖かくなった気がした。
「……………………皆」
一斉におどろくさんの方を見る。
「………話し合い、しよう」