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The Story of White Light
エピソード5 割れたコップ
作成:ねおさん
制作日:2026年9月16日
こんにちは。覚えてますか?
投稿遅くなりすみません。
え?早く話をしろって?
すみませんでした。では・・・
大人「X」からのメッセージが届いた翌日。高架下の倉庫に集まった僕たちの空気は、1本100円のぬるくなったコーラみたいに、ひどく淀んでいました。「警察に行こう」 パイプ椅子を蹴立てるようにして立ち上がったのは、カイでした。拳をぎゅっと握りしめ、悔しさに顔を歪めています。「あんな奴の言いなりになるなんて御免だ。俺たちが悪戯したことは怒られるかもしれないけど、脅してくる大人の方が絶対に悪いに決まってる!」 いつも真っ直ぐで、太陽みたいに眩しいカイらしい言葉でした。だけど、その眩しさが、今の僕には痛かったんです。「ダメだよ、カイ……」 先に口を開いたのは、ノートPCの画面の向こう、チャット参加しているソラでした。その文字は、冷たく震えているように見えました。『警察に言ったら、私たちの親や学校に全部連絡が行く。私は……私は学校にいられなくなったら、本当に居場所がなくなっちゃうんだよ』「だからって犯罪の片棒を担げって言うのかよ!」 カイは画面に向けて怒鳴りました。でも、ソラは黙ったままです。 二人の視線が、無言のまま、キーボードに手を乗せた僕に集まりました。 僕がコードを書かなければ、何も始まらない。僕がどちらの味方をするかで、この秘密基地の未来が決まる。「僕は……」 喉がカラカラに乾いていました。 僕の本名も、住所も、全部あの大人に握られている。もし親にバレたら、大好きなパソコンを取り上げられてしまうかもしれない。また、あの誰も僕を見てくれない、空っぽで孤独な毎日に逆戻りする。それだけは、死んでも嫌でした。「僕は、カイみたいに強くないよ。……ソラの言う通り、今は従うしかないと思う」「――っ、お前まで」 カイは裏切られたような目で僕を見ると、落ちていた空き缶を乱暴に蹴飛ばし、倉庫を飛び出して行きました。カランカランと虚しい音が響き、高架下には、僕と、画面の向こうのソラだけが取り残されました。『……ありがとう、キミ。ごめんね』 ソラのメッセージが画面にぽつりと浮かびました。 僕たちの純粋だった秘密基地に、初めて修復できないひびが入った瞬間でした。
ついに関係が悪化してしまいました。
この後、Xからの指示が下っていくのです・・・
コメント
1件
うわあ……「割れたコップ」、タイトルがすごく効いてる。最後の「修復できないひびが入った」っていう一文で、最初の無邪気な秘密基地の印象が全部塗り替えられた気がしたよ。カイのまっすぐさ、ソラの恐怖、そして主人公の「強くない」という告白。三者三様の正しさがぶつかって、誰も悪者じゃないのにどうしようもなく壊れていく感じが切なかった。ぬるくなったコーラの比喩も、あの淀んだ空気にぴったりだった。次、どうなっちゃうんだろう……。
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詩音リラ
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