元貴side
僕はそう願って仏壇の扉を閉めた。
なんだか、心のどこかがすっきりしたような、
そんな気がした。
僕は湯船に浸かりながら、
今日あった事を思い出す。
若井に数学を教えてもらって、
可愛いって言われて、肩組まれて、
軽音部に行って、後ろから抱きしめられて…
それから…
元貴『っ〜////』
あの時の感触、若井の表情が、
今でも僕の頭に残っている。
頬とかの感触ではない。
多分…いや絶対、唇だ、
初めてだったのに…いやいや!!!
あれは事故だから…!!!
…初めてを、若井に…////
元貴『…滉斗、////』
んぁ”〜!もう!駄目駄目!!!
やっぱ若井のこと考えるのやめよう!!!///
僕はのぼせる前に急いで湯船から出た。
僕はドライヤーで髪の毛を乾かしてから、
ある決断をした。
それは前髪を切る事だ。
中学の時からセンター分けをしていたんだけど、
高校生になった今、変わるきっかけとして
前髪を切ろうと心に決めた。
前髪…似合うかな、?変じゃないかな、?
僕は不安な気持ちを抱きながらも前髪を切った。
少し…いや、かなりのイメチェンになった。
似合ってるかは分かんないけど、
…若井、褒めてくれるかな、///
僕は緊張しながらも学校へと足を運んだ。
ちゃんと前髪だってセットしたし、
襟足とかもきちんとセットした。
昨日結構泣いたけど、
あんまり赤くなってなくて良かった。
僕は思い切って教室のドアを開ける。
教室には若井のカバンだけがあった。
若井はトイレにでも行ったのだろう。
僕は自分の席(若井の隣の席)に座って、
若井のカバンを眺めた。
若井のカバンには“必勝”と書かれたお守りが
付いていて、きっとサッカー部の試合の時に
買ったのだろう。
…ちょっとだけ、良いかな、?
僕は恐る恐る若井の席に座った。
誰かに見られたら絶対からかわれるけど、
今教室には僕しかいないから大丈夫…
そう思った時、教室のドアが開いた。
僕がビクッと跳ね上がるのと同時に、
若井が目を丸くしながら僕の元に来た。
僕は焦りすぎて動く事ができず、
ただ若井の席に座って下を向いていた。
滉斗『…何可愛いことしてんの、笑///』
元貴『…ごめん、なさ、////』
僕が下を向きながらそう言うと、
若井は僕の前にしゃがみ込んで、
僕を見つめながら言った。
滉斗『前髪、可愛いよ』
元貴『っ!!////』
僕が慌てて若井の方を向くと、
若井はにこっと笑って僕の頭を撫でて、
立ったままカバンの中から教材を取り出した。
元貴『ごめっ…///』
僕が慌てて若井の席を立とうとすると、
若井は僕が座っている椅子の背もたれに
手をかけて僕に言った。
滉斗『そのままでいいよ』
元貴『へ…?///』
僕がそう言うと若井は僕を椅子に座らせて
言った。
滉斗『てかそこにいて』
元貴『っ〜////』
そう言って若井は引き続きカバンの中から
教材を取り出した。
たまに僕の顔を見てにこっと笑う若井。
朝からドキドキしまくってる…///
僕がソワソワしていると笑いながら
若井が口を開いて言った。
滉斗『恥ずかしい?笑』
元貴『っ…コクッ(頷)///』
僕がそう言うと若井は僕の頭を優しく
撫でながら言った。
滉斗『職員室行くけど、ついてく?笑』
元貴『…行くっ、!///』
滉斗『っ…///』
僕がそう言うと若井は少し頬を赤く染めながら
そっぽを向き、口元を手の甲で隠した。
元貴『…ん、?』
僕が若井の顔を覗くと、若井は顔を赤く
染めながら言った。
滉斗『なんもない…よ、///』
元貴『んぇ…教えて、?』
何か隠しているような気がしたから、
僕は若井に聞いた。
僕がそう言うと若井は顔を真っ赤にし、
僕に背を向けながら言った。
滉斗『発音が…ちょっと、、////』
元貴『発音…?』
僕が若井の背中を見ながら言うと、
若井は耳まで赤くしながら小さな声で言った。
滉斗『…ィく、って…////』
元貴『イく…?』
何を言っているのかさっぱり分からなくて
僕は“イく”という言葉を頭の中で考えながら
何回か言った。
すると若井は険しい表情をしながら
僕の肩を掴んで言った。
滉斗『俺も男だからっ…!////』
元貴『…ぅん、?』
若井が必死に何かを伝えようとしているのは
分かるんだけど、言葉の意味が分からなくて
全然理解できない。
滉斗『…男だからっ…抑えられなくなる、////』
元貴『…あっ トイレ?トイレ行きたいの?』
僕がそう言うと、若井は悩んだ顔をして
頭を抱えた。
…どういうこと???
コメント
8件
純粋は好物だぞ…(˙▿˙)
見るの遅れちったァァァァァ!!!っておいおいもっくん純粋すぎやしないかい?神だねうん
純粋ちゃ〜ん…め"っっっち"ゃ可愛いぞ?!