ザッザッザッ
「早く逃げないと…っ」
静まり返った人気ヒトケの少ない夜の街
周りの家は空き家も少なくない
その上一本道が多いから、夜歩く人はほぼいない
その中にポツンと建つ公立の中学校
このあたりは夜危ないがために、この中学校では授業時間を短くし、授業内容が短くなっている
それでも、部活がある日は2時間ほど学校にとどまるのだ
…そんな中、今年からそこに通う少女が1人
お下げをしていて、おどおどしている背の低い人見知りの中学一年生だ
部活は文化部
ただしこの辺りに住む生徒の数はとても少なく、2、3人だ
…だから、少女は今日も1人学校に通い、家路に着く
今日は部活のある日だ。
少女「部活楽しかったな〜!まだ仮入部中だけど、部活勧誘期間が終わったら部員の1人になるのか…楽しみっ」
少女は今日1日のことを思い出しながら、暗い一本の道を1人歩く
何か物音がする
…しかし少女が振り返るも、そこには誰もいなかった
少女「気のせいだったのかな…?」
少女「でも、ただでさえ暗くて怖いのに、こんな物音聞いちゃったら余計怖いよ…」
少女「なんだか寒気がしてきちゃった…今日は早く帰ろう」
少女は走り出した。
その時、微かにチリンっという音が鳴った
しかし少女は急いでいたからだろうか、その音に気付くことなく走り去っていった
…それは一個のキーホルダー。
学校指定のもので、校章が描かれている
そして、
一枚の蓋を開くと学年と名前が刻まれている…
ある日、少女はまた学校へと歩いていった
昨日の夜に大雨が降ったからだろうか、道に残った水たまりに太陽の光が反射して眩しい
少女「わぁ〜!今日の道、なんかすっごく綺麗だな〜!」
少女「本当は登下校中、非常事態以外でのスマホの使用は禁止されているけど…」
少女「まいっか☆写真に残しておこ〜っと!」
…その時、少女の背中が少し押され、バッグに一瞬違和感を覚えた
今日は風が強いからだろうか…
…学校が終わり、少女は今日も家へと向かう
途中、知らない人に声をかけられた
今日は部活がないからか、あたりが明るい。
だから彼の顔もはっきりと認識できる
知らない人「すみません。ここ、どうやったら行けますか?」
少女「⚫︎✖︎病院ですね。それでしたら…」
少女はその知らない人に道順を丁寧に教えていく
知らない人「本当にありがとう。助かったよ」
ありがとう、彼がそれを発した瞬間、少女のバッグにまたもや違和感をおぼえる
その上、今回はカリッという微かな音も聞こえた
…しかし少女は気のせいか、と呟いてそのまま家へと向かった
…今日は部活のある日だ
今日も少女は暗い夜道を歩き、家へと向かう
今日もちょっと怖さを覚えながら、家へと向かう…
ザッという音があたりに響き渡る
これは少女の耳にもはっきりと聞こえていた
危険を感じた少女はすぐさま後ろを振り返る
…しかし、後ろには誰もいない
気のせいだったのだろうか
少女は少し安心を覚え、前を向き直した…
…しかし、安心をもつのは早かった
少女が前を向いたその瞬間、
ぐいっと両手を1人の男に掴まれる
少女「きゃあっ」
男「大人しくしろっ」
少女の叫び声と男の怒声が静かな夜の街に響き渡る
そのうえ、男が言葉を発した瞬間に背後からも気配を感じる
そして____
少女は後ろから来たもう1人の男に体ごと掴まれたうえ、口に布を巻かれてしまう…
いかにも環境に悪そうな黒いガスを出してはしる車がそこを走り去っていく…
少女「う、うーん…ここは…」
少女の目が覚める
その瞬間、少女は息を呑んだ
そう、そこは…
あたり一面が真っ赤な無地で囲まれた小さな部屋
そして、
少女の服はボロボロに破け、腕と足が鎖に繋がれていて、さるぐつわがつけられている状態だった
少女が必死に声を出そうとするも、さるぐつわは硬く結ばれていて、一向に解けそうにない
…そこへ、2人の男がやってくる
1人は見覚えのある顔で、もう1人は顔も知らない人だ
その男2人はニヤリと不気味な笑みを浮かべながら少女に近付いてきた
少女「んっんっんっんっんっ⁈んっんんんんんんんん⁉︎っ」
(略え、ちょ、まってってっ!ちょっんぐっ何をするのさっ⁉︎)
少女「んんっ⁉︎んんっ」
(略:何⁉︎きもっ)
見覚えのある顔をした男が、ポケットから何かを取り出した
それは、学校指定の例のキーホルダーだった
その少女が正真正銘、落としたものだった
その男は、そのキーホルダーの蓋をあけた
そして…!
…そう、
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