テラーノベル
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⚠️「くろのばっ!」の世界線
⚠️名称は変化してないです
⚠️緑サンが襲われる描写あり(未遂)
⚠️死ぬほど不穏な百合です
それでもいい方のみ
私の部屋は、本来なら私が唯一「ただの人間」に戻れる聖域だった。
清純派アイドルという看板を笑い飛ばし、本当は大好きな酒を煽り、泥のような本音を吐き出せる唯一の場所。
けれど今、その静寂は、脂ぎった欲望と吐き気を催すような加齢臭に塗り潰されている。
「……っ、やめて、離して……っ!」
押し倒されたソファの上。打ち合わせと称して上がり込んできたスポンサー企業の重鎮は、私の抵抗を楽しむように鼻を鳴らした。
「なあ、かなめ。お前らみたいな、賞味期限付きの小娘を一人前に仕立て上げるのに、どれだけの『金』が必要だと思ってる?」
汚れた指が、私の頬を執拗になぞる。
「全部、俺の金だ。お前が着ているその薄っぺらい衣装も、浴びているスポットライトも。
俺が蛇口を締めれば、お前は明日からただのゴミになるんだよ。」
必死に押し返そうとする私の腕を、彼は片手で容易く捻り上げた。
ミキミキと骨が軋み、思わず悲鳴が漏れる。
「痛いか? だが、別にお前じゃなくてもいいんだ。……例えば、気の強そうな黒髪、プライドが高そうなピンク髪、青髪の子もなかなかいい体つきをしていたな。
それとも大学生とか言うガキに社会の厳しさを叩き込んでおくか?
別にお前である必要はないんだ。それともなんだ、リーダーの癖に我が身可愛さでメンバーを差し出すのか?」
「……っ!メンバーには……お願い、メンバーは巻き込まないで!」
「だったら、もっと『接待』らしくしろよ」
男はニチャリと、粘り気のある笑みを浮かべ、自身のベルトを外した。
「これはビジネスだ。光り輝くステージの裏側には、必ずこういう泥溜めがある。
お前は、グループを守る聖女のつもりか?
違うだろ。お前はただ、俺の機嫌を損ねないためだけに存在する、意思のない肉人形だ。」
太い指が私の喉を乱暴に締め上げる。
肺から酸素が奪われ、火花が散る視界の中で、男は私が嘔吐くのも気にせず、私の口内に、自身の権力を象徴するかのように脂肪が付いた太い指をねじ込んだ。
「ほら、舐めてみろ。お前らの夢は俺の金で買える安物なんだよ」
……ああ、もう、いい……
私は抵抗をやめ、ぐったりと力を抜いた。
堪えきれない涙が耳元へ流れていく。
私がここでこの男の汚辱をすべて引き受ければ、グループは続く。
私は誰よりも知っている、みんながどれだけ頑張っているかを。
これで、メンバーの頑張りは、守られる。
そう自分に言い聞かせ、感情を殺そうとした――その時。
玄関のドアが、音もなく開いた。
「……かなめ?」
低く、震える声。そこには、忘れ物でも取りに来たのか、顔面蒼白のしのが立っていた。
しかし、気づいたはずの男は一瞥もくれず、私のボタンを外しながら吐き捨てた。
「おい、ガキ。今いいところだ。お前もそこで見てろ。自分のリーダーが、いかに従順なメスかをな。それとも、お前も『教育』してやろうか?」
嫌だ。見られたくない。こんなところ。
私だけが汚されるのはいい、だけどメンバーを巻き込むことは避けたかった。
必死に首を振る、声を出そうとしても喉を締め上げる指は未だに緩まない。
気づけばしのは震えていなかった。
それまで瞳に宿っていた光が完全に消え去り、底知れない漆黒が淀む。
彼女は迷うことなく、棚に飾られていたクリスタルトロフィーを掴んだ。
「……死ね。その汚い手で、かなめを触るなっ!!」
男の側頭部にクリスタルがめり込む。
男が私の上から転げ落ち、豚のような悲鳴を上げながら床をのたうち回っても、しのは止まらない。
彼女は馬乗りになり、狂ったように何度も、何度も、トロフィーを振り下ろした。
「死ね! 死ね! 死ね!! 私のかなめを、モノみたいに扱うなあぁぁ!!」
ドロリとした赤い飛沫が、しの頬を、そして私の顔を汚していく。
さっきまで傲慢に私を支配していた巨躯は、今やただの、不快な音を立てる肉塊へと成り果てていった。 返り血を浴びたしのは、息を乱しながら、壊れた人形のように美しく、そして残酷に笑っていた。
「…しの、もうソイツ動いてないよ」
恐る恐る話しかけた。
すると、しの動きが止まる。
カタンッ、と、トロフィーが床に落ちた。
そのトロフィーはみんなで血のにじむような努力をして初めて受賞したものだった。
受賞が決まった時泣きながら喜びあって努力が報われて嬉しかった。
それからグループも順調に伸び始めて一一
違う、そんなことじゃない。
起きた事が受け止められずに頭がくらくらする。
「………どうしよう、かなめ、殺しちゃった。殺しちゃったよ。」
しのがガタガタと震え始める。
そこにはさっきの恐ろしい面影なんて全くない。
泣き始めるしのを見て冷静さが戻ってきた。
私が1番大切な物はメンバーだ。メンバーの幸せを心から望んでいる。
ならばここで最善の選択が何か、私はわかっていた。
小賢しいこの男の事だ、どうせ今日ここにくる事は家族にも同僚にも隠しているだろう。
この男はいつも誰にも気づかれないようにに私に接触していた。
周りから見ても私とコイツの関係はただのスポンサーとアイドルのはず。
一一一いける。私ならいける。
私は泣いているしのに優しく語りかける。
「しの、大丈夫。私がみんなを守ってみせるから。」
通報も自首も一貫の終わりだ、それなら。
簡単だ、隠せばいい。
事切れた男を二人で浴室まで運び、私たちは全裸になった。
返り血で汚れた、衣装を脱ぎ捨て、タイルに転がる粗大ゴミを囲む。
私の良心が不道徳な行動を責めている。
けれど、ガチガチと歯を鳴らしながらも、私のために刃物を握るしのを見たら、もう戻る道などなかった。
「……しの、足首を持って。関節の隙間を狙えば、少しは楽だから」
「……うん。かなめ、私がやるから、そこにいて」
骨を断ち、肉を割く生々しい音が、狭い浴室に反響する。
血の混じった脂が排水溝を塞ぎそうになる中、しのが虚ろな目で私を見上げた。
「かなめ……私、ずっと言いたかった」
彼女の手は血で真っ赤に染まっている。
「私、かなめの事が好きなの。誰にも渡したくなかった。……愛してる。この男を殺したのは、正義のためじゃない。
……かなめを、私だけのものにしたかったから
ねえ、私のこと、嫌いになった?」
涙をボロボロと流し、血塗れの顔で縋り付いてくる少女。
彼女の純粋すぎる独占欲は、足元に転がる死体よりもずっと重く、逃れられない呪縛だった。
「……嫌いになんて、なれるわけないじゃない」
きっとこれは間違っている。
肯定なんかしちゃいけないのに。
私は彼女の血塗れの頬を撫で、曖昧に微笑むことしかできなかった。
切り分け、幾重にもビニールで包んだモノを車のトランクに詰め込む。
ハンドルを握る私の横で、しのは助手席でずっと蹲っていた。
そんなしのを安心させたくて話しかける。
「アイツが持っていた黒いスマホは女遊びをする用だから適当に海に投げ捨てればアイツとこの携帯に結びつくことはないから。
見たところ偽名で契約していたみたいだし。
そうだ、明日は気になっていたワイン、一緒に飲まない?」
しのがゆっくりと顔を上げた。
「……かなめはなんでここまでしてくれるの?
……所詮はオーディションで集められたメンバーなのに。
…私、人殺しだよ?」
「しのが大切だからじゃだめ?ほら着いたよ」
明け方の海岸線。
真っ暗な海は、全てを飲み込んでくれるほど深く、冷たい。
人気はなく監視カメラもない場所を選んだ。
波の音にかき消されるように、私たちは「不浄な過去」を、一つずつ深い底へと沈めていく。
「……かなめ、見て。太陽が出てきたよ」
しのが指差す水平線の向こう、夜が明けようとしていた。 またアイドルとしての、嘘と輝きに満ちた一日が始まる。
笑って、歌って、踊って。
けれど、私たちの指先に染み付いた鉄錆の臭いと、この地獄のような秘密だけは、永遠に二人を繋ぎ止めて離さない。
「帰ろう、しの。私たちのステージが待ってる」
私は彼女の手を取り、血の気の引いた指を、二度と離れないように強く握りしめた。
くろのばっ!ちゃんが最高すぎて書き上げちゃいました💕
執筆なんて予定どうりにいかないよね😭
ごめんなさい頑張ります。
あとはーとげっちゅのアクリルジオラマくださいどうかお願いします。
あんなに可愛いんだから缶バッチじゃなくてアクスタにしましょうよ!!
緑サンごめんね、貴方にキューアグ起こしてばっかりだ…
次で紫さん視点をちょっと書いてこの小説は完結となります。
近いうちは何とか…
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