きぶん
gnzk、kid
元、賢者の贈り物
1ドル87セント。それで全部。明日はクリスマスだというのに。大切な藤士郎への贈り物を買うのにこれっぽちしかないなんて。僕は粗末な椅子に腰掛け泣いた。
僕たちの家には週20ドルの収入しかない。週8ドルの安アパートに住むのが精一杯なのだ。それでも藤士郎は僕が帰ると「晴くん」と優しく呼んで、いつもぎゅっと僕を抱きしめてくれる。それが生きている幸せだった。
僕達の家には、二つの宝物がある。一つは僕の金時計。もう一つは藤士郎の美しい髪だ。今日も仕事を終わらせて帰路に着く。
「ただいま」と僕は声をかけた。とてとてと音を出しながら近ずいてくる。僕は藤士郎の姿を見た途端に立ち止まり、そのまま動けなかった。藤士郎は奇妙な表情を浮かべながら、ただ、僕をじっと見つめていた。
藤士郎の髪が肩までの長さになっていた。
「髪は切って売っちゃったんだ、髪はまた伸びるし。ねぇ、晴くん、僕は君を愛しているよ」
そう言って藤士郎は僕に時計の鎖をプレゼントしてくれた。
どうやら、藤士郎は僕への贈り物を買う為に自慢の髪を売る事にしたそう。僕の中金時計を飾るためのプラチナの時計の鎖を。
僕はオーバーのポケットから包みを取りだしてテーブルにそっと置いた。
「ねぇ藤士郎、僕は髪型なんかで君を嫌いに なったりするもんか。その包みを開けてみて」
藤士郎はそっと包みを開けた。包みの中には櫛を入れていた。既に売ってなくなった美しい髪にぴったりの鼈甲の櫛。
藤士郎は嬉しさと悲しさのあまり暫く泣いていた。僕は椅子に腰かけて少し笑い言った。
「あのね、藤士郎。実はね、櫛を買うお金を作るために僕は時計を売っちゃったんだ。」
僕らは互いの最も素晴らしい宝物を、お互いの為に台無しにしてしまった。
けれど僕は後悔していない。
書いてて意味わかんなかったけど
分かってくれたら嬉しいな
コメント
14件
うんはあんあはあん
うわあうああああああ
意味深だぁ!すげぇ!