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「実弥、こんにちは」

「あ?…あァ、優雨じゃねェか。久しぶりだな」

「ええ、お久しぶりです。実弥とここで会えるなんて珍しいですね。おひとりですか?」

「いや、玄弥と来てる」

「そうなんですね。ふふ、仲が良さそうで良かったです」

「……そうだなァ」


前世より少し丸くなった実弥は、照れながらも頷いた。くすくす口を抑えて笑う優雨は「そうでした、渡したい物があったんです」と言って鞄の中を探る。なんだ?と思いながら優雨を見つめていると、差し出されたのはタッパーに入ったおはぎ。


「皆さんに渡してるんです。きーほるだーを渡そうかと思ったのですが、それより実弥はおはぎの方が喜ぶかなと思いまして」

「そういや、富岡がムカつくドヤ顔で言ってたな」

「実弥にも自慢したんですか…そんなにきーほるだー気に入ったのでしょうか、義勇」

「いや、そうじゃねぇと思うが…」

「?」


相変わらずの鈍感だな、と実弥は思った。貰いっぱなしは性にあわないと、実弥は優雨を連れて「何か奢ってやるよ」と言った。


「いえ、私は大丈夫ですので…!それに、玄弥さんは?待ち合わせしているのでは無いんですか?」

「あいつは今本屋にいんだよ。そこで合流すればいいだろ」

「いえ、そうですがそうではなく……!」

「どっちだそれ」

「うぅぅ………」


力では叶わないと判断した優雨は小さくうなだれる。手を握って連れていったのもそれが狙いである。因みに実弥は優雨と仲が良く、優雨を妹と思っているふしがある。


「俺も買いたい本あるから買ってくるわ。お前は?」

「私は特にないですね」

「そうか、ならそこで待ってろよ。……逃げんなよ?」

「うっ……何故こうも実弥は私の考えることが分かるのですか…」

「兄だからな」

「実弥の妹になった覚えは無いのですが」

「…………」

「なんでハッとした顔になってるんですか?」


話が一区切りしたところで実弥が目的の本を探しに行く。優雨は近くにあったソファにちょこんと座りながら待っていた。すると、ガラの悪い男性3人組が優雨に近付いてきた。


「お姉さん美人だね。どう?これからお茶でもしに行かね?」

「奢ってやるからさ」

「よくしてやるよ?」


にやにや、と下品な笑い方をした3人の内1人が優雨の手首を掴み、逃がさないようにする。周りにいる人は3人のガラの悪さに怯えているで注意が出来ない。誰かが警備員を呼ぼうと走っていったのを見てあまり大事にはしたくない、と思った優雨はニコリと笑って言葉を紡いだ。


「お誘いは嬉しいですが、あいにく人を待っているので」

「何、そいつ彼氏?」

「いえ、彼氏ではありませんが…」

「ならいいじゃん、すっぽかしちゃえよ」

「そういう訳にもいきません。その手をお離しいただけませんか」

「さっきから下手に出てりゃ調子にのんなよ?大人しくついてきた方が身の為だぜ?」


そういった男性はギリ、と力強く優雨の腕を握る。優雨にとってはこんなもの痛くま痒くもないのだが、触られているのが生理的に受け付けないのでいっその事しのぶ直伝の痴漢男撃退方法を使おうかと思っていた時だった。突然男の後ろから「おい」、声を掛けられ、男の肩に手を置き、睨みつける。


「優雨さんは俺の連れだ。今すぐその手を離せ」


力を込めて肩を握る。本気でやると骨が折れるので手加減はしているが、一般人にとっては十分過ぎるほどの痛みだったらしくひぃ、と情けない声を上げナンパ男共は逃げていった。優雨は聞き覚えのある声の主に向かって礼を言った。


「助けていただきありがとうございます________玄弥」

「いえ、何にもなくて良かったっす」

「ふふ。かっこよかったですよ」

「…うっす」


かっこいいと褒められた玄弥は照れくさそうに頬をかく。そんな仕草に優雨はまたふふ、と笑った。


「そういえば、実弥はどうしたんですか?」

「兄ちゃんは今会計してるから先言ってろって言われて…そしたら優雨さんが絡まれていたので」

「そうだったのですか…ならもう少しで戻ってくるのですね」

「と思います。………あ、この前のキーホルダーありがとうございます」

「どういたしまして。気に入っていただけたら良かったです」

「優雨、待たせて悪かったな。……随分騒がしいな。なんかあったのか?」

「それがね、兄ちゃん。さっき優雨さんが絡まれてて…」

「あ゙???」

「顔怖いよ兄ちゃん」

「そいつの顔詳細に教えろォ…。殺る」

「殺らないでいいから。気持ちは分かるけど」

「俺の妹に手ぇ出しやがってただじゃおかねェ」

「優雨さんは妹じゃないよ」

「地獄見せてやる」

「聞けよ」


暴走しかけてる実弥を宥める玄弥だがその言葉は届いていない。ふむ、と優雨は考え、ある人の助言を思い出した。


「お兄ちゃん、落ち着いてください」


優雨のお兄ちゃんという言葉にピタッと動きと負のオーラが止まった実弥。どうやら暴走は止まったようだが巻き添いを食らった玄弥も止まってしまった。驚く程微動だにしないのでつんつん、とつつく。


「お兄ちゃん、流石に無反応は悲しいです」


未だに言葉のダウンロードが完了していない実弥と玄弥に対しもう一度お兄ちゃんと言う。優雨は上に2人兄が居るのでお兄ちゃん呼びに抵抗はないが無反応は悲しかった。そこまで嫌だっただろうかと不安になってきた頃、実弥が呟いた。


「……あ」

「?」

「ワンモア」

「わんもあ?」

「…………もう1回」

「? お兄ちゃん?」

「ぐぅっ……」


人差し指を立てもう1回と頼む実弥にハテナマークを浮かべながらももう一度言う優雨に対し胸を押えて蹲る。実弥が何がしたいのかわからないがこういう姿はレアなのでとりあえず目に焼き付ける事にした優雨。一足先に復活した玄弥が優雨に「どこで、」と言った。


「どこでそんなの覚えたんですか」

「不死川さんはお兄ちゃん呼びに弱いから何かあったら使うといいわよ!と蜜璃が言っていました」

「あの人か………」

「あの人です」

「不死川優雨……ありだな」

「勝手に籍を入れないでください」

「兄ちゃん、それだと優雨さんと結婚したこって思われるよ……」

「あ?兄妹で結婚出来るわけねぇだろ?」

「兄ちゃんいつものキャラどうした???」

「家出中」

「呼び戻せ」

「何の話してるんです?」

「はぁ…………」


違う路線に暴走している兄(キャラ崩壊の姿)と天然の優雨に挟まれた玄弥は1人うなだれ、ため息をついた。


























永遠に続きそうなので終わり!!!!実弥の口調わかんない!!!その結果キャラ崩壊させてしまいましたすみませんでした!!!!!後悔も反省もしてません!!!!!!

因みに実弥と玄弥は炭治郎の事好きです。実炭玄炭増えろ……

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