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レインside↓
朝、会社に行く途中に気になるものが目に入った。
「…うさぎのマカロン…?」
自分は甘いものがそれほど得意ではないが、「うさぎ」という単語に惹かれ、気づけば店に入っていた。
カランカランと入店音がする。
中はとても綺麗で、1人も客がいなかった。恐らく開店してすぐだったのだろう。
少し辺りを見渡していると
「いらっしゃいませ」
と、店員の声がした。
ハッと我に返って注文をする。
「うさぎのマカロンとコーヒーを1つ」
……返事が返ってこない。
聞こえていなかったのだろうか、店員の目は明後日の方向を向いている。
「…おい」
声をかけると
「はっ、あ、すすすすみません、聞いてなかったです」
と、馬鹿正直に答えられた。いや、馬鹿正直にも程がある。すこし不快に思ったが、よく見るとなんかだか緊張しているようだった。バイトだろうか、それも初日。
「も、もう1回お願いします…」
「…うさぎのマカロンとコーヒーを頼む」
「はい」とその店員は後ろをむく。
するとなにか思い出したように次はこちらを向いて、
「あの、あいす?かほっと、どちらにしますか?」
「アイス」
少し待っていると「お待たせしました」と注文した品が出てきた。
とても可愛らしいマカロン。甘そうだがコーヒーが有るから何とかなりそうだ。
430円を支払って店を出た。
会社で仕事をしながらコーヒーを飲む。
ふんわりと苦味が広がって美味しい。
あそこの店は初めてだったが、また来てもいいかもしれない。うさぎのマカロンもある事だし。
それに何より、あの店員が、少し気になる。