小峠さんが消えてから、俺は何もかもに無気力になっていた。当たり前のようにいた彼が、もういない。兄貴達は励ましてくれるけれど、俺は全く上の空だった。
一緒に歩いた道も、場所も、二度と一緒には歩けないんだ。
そうして1年経った。
俺は、夕焼けに染まる街道を歩いていた。それは、彼の最期が訪れたあの道。
俺はふと思う。
『…あれから1年…経ったんだな。』
時の流れというものは残酷にも早すぎるようで、俺はまた流れに付いていくこともできずにいた。彼と居たのが数日前のことのように思い浮かぶ。月日が経っても彼との記憶は未だ鮮やかだった。きっと、俺がいつかこの世から消える日までこの記憶は俺の中で生き続けてる。
そろそろ事務所に戻ろうかとした時だ。俺の背後から声が掛かった。それは未だ鮮明に聞こえる彼の声とよく似ていた。俺は咄嗟に後ろを振り向く。
彼は言う。
『ただいま、』
彼の瞳は空を閉じ込めたような青色だった。彼の白い肌を朱色の夕焼けが優しく照らす。
『ことうげ、、さん…』
『………久我くん、泣いてるのか?』
彼に言われるまで気づかなかった。
俺は、泣いていた。
彼は困ったように眉をひそめて笑った。
『はは…まぁ、びっくりするよなぁ…』
俺は馬鹿みたいに涙を流しながら彼を抱きしめた。
彼は少し驚きながらも、優しい眼差しを向けてくれた。温かい体温が、俺の凍てついていた心を優しく溶かした。
そして、彼の瞳から涙が溢れた。
???年後
??『ねぇねぇ、アンドロイドって恋をするとかって思う?』
??『いや、思わないな…というか突拍子も無い質問だな。』
??『ちょっと聞いてみたくなっただけ。』
??『……お前はどう思うんだ?』
??『…私はね、もう答えを知ってるんだ。』
??『信じられないが…まあ、お前が言うなら本当なんだろうな。で、答えは?』
??『答えはね…』
完結です。リクエストもらえたら色々書きます。ネタがないので……
コメント
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Answerは【恋をする】人間などは関係なく、感情があって好きということならば恋はしますからね☺️ 最後がほんとに🫶💕︎︎