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ふいに顔を寄せてくる涼太。
キスかな、と思ったその瞬間、涼太の大きな手がそっと俺の耳を包み込む。
「……?」
驚いて瞬きをするが問いかける間もなく、唇を強く塞がれた。
「っ……ん……!」
思わず目を見開く。
涼太は耳を覆ったまま、激しく、深く、唇を重ねてきた。
ちゅっ、くちゅ、という生々しい水音が、耳を塞がれたことでより鮮明に響く。
その音が直接脳に響いてきて、身体がびくりと震えた。
涼太の舌が優しくも容赦なく絡めとってくる。
何度も何度も、深く啄ばまれ、自然と腰が浮きそうになるのを必死で堪えた。
どうしても涼太の身体に縋らずにはいられなかった。
長い、長いキス。
時間の感覚さえもおかしくなるほど、甘くて、熱くて、息もできない。
やっと、涼太が口を離してくれた時には、頭の中は真っ白だった。
呆けたように、ぽかんと口を開けたまま、涎が糸を引いている。
それが、自分のものなのか、涼太のものなのかも、もうどうでもよかった。
「……っ、」
堪らず、翔太は涼太を押し倒す。
「ん、翔太……?」
驚く涼太の声も、もう耳に入らない。
無意識に涼太に覆いかぶさり、濡れた唇を再び重ねる。
さっきまでキスされる側だったが、今度は必死に、夢中で涼太を貪った。
自分でも信じられないくらい、熱を持った舌。
触れるたび、濡れる音が部屋に響き、心拍はますます早まっていく。
「っ……ん、翔太……」
甘く漏れた涼太の声に、ゾクゾクと身体が震えた。
この声をもっと聞きたくて、俺は涼太の胸に手を這わせた。