ゆり組の日常

宮舘は、「旅するSnowMan」を観ている。自分のではなく、渡辺と目黒の京都の旅。

列車の中で写真を撮ってもらう場面。目黒が当たり前のように渡辺の肩を抱く。

渡辺も、当たり前のように身を寄せている。

宮舘ーなんなの…もう〜！

そこへ、合鍵で入ってきた渡辺が画面を観る。

笑いながら宮舘を見る。目黒に対しては何度も仲良しの友達だと言っているのに、ヤキモチを妬く。

渡辺ーダテ、面白いか？

宮舘ーあっ、翔太！

渡辺ーそんなに言うなら、観なきゃいいのに。

宮舘ーだって、翔太の着物姿観たいし。京都っていいよね。

保津川下りも、面白いし。

渡辺ー楽しかった。目黒と一緒だったし。

宮舘ー2人とも、着物似合ってた。

渡辺ーあれ？目黒も？

宮舘ーこの間、そんな目黒より、俺を選んだんだって言ってくれたから、ヤキモチも控える。

渡辺ーふふふ。

宮舘ー晩ご飯は？

渡辺ー焼肉食べた、サウナ行ってきたー。

宮舘ー誰と？

渡辺ー風磨とまさき。

宮舘ー出た！またその2人！

渡辺ー目黒の次は、風磨とまさき？

宮舘ーだって、俺より会ってない？

渡辺ーサウナ仲間！

宮舘ー分かりました！

渡辺ーまさきが可愛いんだ。

宮舘ーだまらっしゃい！

渡辺ーダテ、お前こそ、黙れ。

宮舘ーなんですと？

渡辺ーいちいち、俺が誰かの話するたびに怒るな！

会話もないんだったら、もうここには来ない。

宮舘ー翔太、翔太、ごめん！

渡辺ーじゃあ、どんな話してもいいんだな？

宮舘ーと言いますと？

渡辺ー康二が、膝枕しろって言ってくるし、「しょっぴー大好き」って言うし。

宮舘ーそんなの許されません！

宮舘が渡辺を抱きしめる。向井も知ってるはずだが、それを上回るほど渡辺が好きだから。油断ならない。

宮舘ー俺のこと、知ってるはずなのにおかしいなぁ？

渡辺ー待て！何で知ってる？

宮舘ーあっ、いや、その〜。

渡辺ー言え！

宮舘ーわたくしが浮かれて皆んなに言いました！

渡辺ー皆んな知ってる？

宮舘ーはい。

渡辺ー帰る！

宮舘ー翔太！

渡辺ー当分来ない、

宮舘大失態。

今頃、目黒に確認しているだろう。だが、よく思い出して？渡辺は、一言も、「別れる」とも、「もう会わない」とも言ってない。

望みはまだある。ちょっと怒っているだけだ。

LINEで、謝り、愛してると伝える。

しばらくは既読にならなかった。落ち着いたら、見てくれるだろう。

渡辺ー目黒！

目黒ーどうした？

渡辺ー俺とダテのこと、皆んな知ってる？

目黒ーあ〜バレた？

渡辺ーいつから？

目黒ー2人が付き合い始めたころ？

渡辺ーなんて？

目黒ーダテさんが、翔太くんとお付き合いすることになりました。ただ翔太くんには、何も言わないでください。って。

渡辺ーあのばか。

目黒ー嬉しそうだったよ。

渡辺ーはぁ〜。

目黒ー許してやりなよ？

渡辺ー練習行くの、恥ずかしいじゃん。

目黒ー俺のそばにいたらいいし、茶化さないから。

練習日の夜。

宮舘は、落ち込みながら、渡辺に電話してる。練習中、誰も渡辺に揶揄いの言葉は言わなかった。宮舘が頼んだから。

1人でも、ちゃんと晩ご飯は作る。ため息を吐きながら食べた。美味しいのだろうか？

宮舘ー翔太…。

徹底した無視。

目黒にペッタリ引っ付いている。仕方ない、自分でバラしたのだから。

宮舘は知らないことだが、渡辺は岩本から言われている。

ツアーまでに何とかしてくれと。渡辺は、大丈夫だと言った。ちょっと恥ずかしいと思っただけ。赤い顔した渡辺の頭を岩本はポンポンとして、許してやれと言う。

ツアーまでには、渡辺も落ち着いてくるだろう。滅多にないけど、宮舘は目黒に「頼むね」とLINEしている。

きっと、上手く話してくれるだろう。

淡い期待を胸に、寂しくご飯を食べている。

１週間後。

宮舘が家に帰ると、ソファで毛布に包まれ眠る渡辺がいた。

宮舘ー翔太…。

ぐっすり寝てる。宮舘は、そっとそばに行き頬にキス。

じっと見ていると、目を閉じたまま。

渡辺ー穴が空く。お腹空いた。

宮舘ーすぐ作る！

渡辺ー浮かれた声出すな。落ち着け。和食な。

宮舘ーん。キスしていい？

渡辺ーん。んっんっ…。

パタパタとキッチンに消える足音。渡辺は毛布を被り直し、もこもこの中で笑うのだ。