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この物語はフィクションである。
○○○○年△月××日
私は憧れの人と結婚した。
白いドレスを身にまとい、赤い薔薇の花束を抱えていた。
その日はよく晴れていたという。
誇らしげな顔でレッドカーペットを歩いていた。
後にこの結婚を後悔することも知らずに…
私が結婚したのは○○という宝石会社の社長。
社長と言ってもそれほど有名ではない。
でも、私はこの人が好きだった。
結婚してからは毎日が幸せでとても浮かれた気分だった。
だが、悲劇は起こった。
突然夫が怒り出したのだ。
それはとても些細な事。
私の作ったご飯が不味いというのだ。
私は料理を作るのが大の苦手だ。
夫はこう言う。
「女なんだから料理は作れて当たり前だろ。」
「人の気持ちも考えろ。」
「毎日毎日仕事で疲れてるのに気ずかいぐらいすれよ。」
私はとても落ち込んだ。
人には得意不得意があるんだ。
女だからって完璧にこなせる訳では無い。
夫とは喧嘩をしたまま次の日になった。
まだ夫は怒っている。
私が部屋から出てくると、気づいたかのようにグチグチ文句を言ってくる。
とても辛かった。
そして月日が経ち、私は妊娠した。
「女の子かな、男の子かな?」私は夫に話しかけた。
すると夫は、「仕事をしているから話しかけるな」と言った。
「え…?」
流石に私はキレた。
夫が私に接する態度が冷たすぎるのだ。
私はそれから夫と距離を置いた…
激しい痛みに耐えて、やっと子供を出産した。
子供の名前は「さな」だ。
私はとても嬉しかった。
そして家に帰ると、また夫は怒っていた。
昨日の夜ご飯がカップラーメンだったからと言う。
昔とはまるで違うように怒鳴り散らかした。
その態度に私はもう耐えられなくなった。
毎日のようにくだらない事で怒りつけてくるからだ。
しかも今回は赤ちゃんの前で…
私は限界を迎えた。
怒りつけてくる夫にビンタを食らわし、私は家を出て言ったのだ。
そして私は実家へ戻った。
だが、夫の家から実家はとても近かった。
私は恐怖はあったが、実家で暮らすことにした。
12年後……
私はこの暮らしに慣れた。
あの日から夫に会うのは娘の学習発表会や運動会だけだった。
娘はもう、小学6年生になっていた。
私は娘に悪い影響を与えないように気をつけていた。
ご飯も毎回無添加の物をえらび、自分で作っていたのだ。
娘は週に2回、火曜日と日曜日だけ夫の家に泊まりに行っていた。
今はとても落ち着いた生活をおくっている。
娘は学校でもうまくいっているらしい。
そんなある日。
娘は突然こんな事を言った。
「お父さんの家に行きたくない。」
まぁどうせ喧嘩でもしたんだろうな。
と私は思った。
急に娘の表情が曇った。
そして泣きながら言った。
「言って…いいか…わかんないけど……」
「え?」
私は続けた。
「どうしたの?なんかあった?お母さんに相談してごらん!」
すると娘は泣き崩れた。
「お父さんに…口止めされてるけど……」
「私…お父さんに…!」
「殴られてる…の……」
その瞬間、私は崩れ落ちた。