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それだけ言うと彼女は家の外に出る。かなり気が立ってるようで、俺のことを置いていく勢いで進む。
俺は慌てて歩調を早め、彼女の前に出る。
いえもん「宣戦布告って……これからどうするんですか!」
めめ「……」
めめ「反対ですか?」
彼女からは聞いたことのない低音だった。
いえもん「そういう意味ではありません」
いえもん「具体的な方法を教えてください。じゃないと俺も協力できないので」
ここで置いて行かれたら俺たちは終わる。根拠はないがそんな予感がした。
めめ「……これから私は村の中心から魔法を出します。この場にいる全員を殺す程の」
めめ「ただ、それには一つ問題があります。あの魔石を盗んだ青年です。さっき殺さないと約束してしまったので、どうにかしなければなりません」
そこで、俺の出番ということか…
めめ「いえもんさんは彼を探し出し、村の外に避難させてください。くれぐれも殺し殺されないよう気をつけて」
めめは俺に説明して少し落ち着いたようだ。俺は安堵しながら質問を重ねる。
いえもん「いつ魔法を発動させるんですか?」
めめ「イヤリングで連絡します」
そういえば丁度便利な魔道具があったんだった。他の情報が多くて忘れていたが。
めめ「分かりましたか?では逃げられる前に早くしてください」
そう言うと彼女は俺を置いて村の中心へと歩き出した。
相変わらず人使いが荒いひとだ。村人に逃げられると困るのは共感できるが…。
というかどこを探せば……村って言っても結構広いぞ。
いえもん「……手当たり次第探ってくしかないか……」
__めめ side__
村の真ん中……広場らしきところの正に真ん中に立つ。集中するためか自然とふぅ…と息が吐き出された。周りに人はおらず、皆逃げる準備をしているのだろう。
久しぶりの大規模な魔法だ。今まで使ってきたダークチェーンやダークウォールは初級魔法だったから、技として小回りは効いたけど、対大勢には不向きである。そこで私は、闇魔法の中でもマイナーだが結果が期待できるこの魔法を選んだ。
めめ「ダークドーム」
私を中心として周りの地面にミシミシと音を立てながら黒色のシミが染み渡る。乾燥した土地に水を垂らすとヒビが入るように、魔力が枯渇した地面が荒れながら闇の属性に満たされていく。それは私が魔力を注ぐたびにじっくり確実に拡大し広場から家、さらに隣の家へと円状にその範囲を広げていく。
どこまでもどこまでも広がっていくイメージを持ちながら、気長にその時を待つ。入り組んだ家並みの中で、唯一広場から直線で見える村の端に魔法の範囲がいったのを確認して、注ぐ魔力を一回止めた。
止めるのは一瞬だけで、パチリと瞬きをした後、再び自分の中から一気に魔力を叩き出す。すると、村を囲っていた闇の境界が地面から飛び出して天に昇り、広場の天辺……つまり私の頭上へと収束した。これで村を半球状に囲んだことになる。
……ここでいつもなら魔法に注ぎ入れる魔力を増やすのだが、今日はとある事情で注ぐ魔力を少なくする。
私は、体から力を抜いて押し出す魔力量を限りなく薄く、伸ばすように意識する。あくまでも張ったバリアが破けないように、けれども生物が抜け出せない厚さに練り上げる。
なぜそうしてるかって?答えは、私の魔法の属性にある。闇魔法しか操れない私は、弟子のレイラーのように状況にぴったり合わせた魔法を選択できない。そのため、今できる魔法を目的に合わせて調節して使う必然性があったのだ。
そう、まだ殺してはならない。いえもんたちがこの村を出るまでは。このまま弱い威力を保っていく必要がある。とても精密で繊細な作業で、少しでも気を抜いたらこの村は簡単に消滅する。己の精神と向き合う作業だ。
懐かしい……。昔もこうしてたな……。
ふとそんな気持ちが浮かんできた。
あ、いえもんさんに状況確認しないと……。
__いえもん side __
いえもん「っ…」
村の外れの大きな池。小さい湖ともいえるその前には、あの青年がいた。
青年「あーあ…。ばれちゃったよ」
いえもん「何の_」
俺の呟きが彼の言葉によって遮られる。
青年「やっぱ俺があいつの場所知ってたこと、分かったんだー」
あいつ……はウパパロンさんのことか……。……となるとこいつは……
いえもん「お前……嘘、ついたな?」
『知ってることを全て正直に話すなら殺しません』
めめが、青年を解放する時に交わした約束だ。しかし今青年が、嘘をついていたことがばれた、と答えたので、青年は「正直に」答えていなかったことになる。つまりこの約束は成立しなくなったのだ。
だから、俺がこの青年を殺さない理由も……
はいここまでです!やばい時間ギリギリ!!
ってことで今日のご飯はおでんでした!!オイシカッタ
ってことでまた来てね!補足は次回!!