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12 ◇息子たちと美代志の家へと向かう
次男はリビングでテレビを見ていて、長男が二階から降りてきたところに
私がちょうど帰宅したところだった。
「お腹、すいてるでしょ? お待たせ~。
年末だから奮発してお高いお弁当とお惣菜買ってきたわよ」
テーブルに2人分の弁当を置いたところで、美代志くんのお弁当と自分の弁当は袋に
入れたまま手にして、家を出るつもりだった。
それを見ていた長男の悟が訊いてきた。
「あれ? いつもの遠縁の人ん家に持って行くの?」
「うん、そうよ。あっ、そうだ。まだ顔合わせが済んでなかったわね。
一緒に行ってみる?」
「うん……」
「じゃあ、圭も一緒に連れて行こう」
「圭、出掛けるよ! 急げっ。テレビのスイッチ切れよ」
悟が圭に声掛けしてくれた。
「え~、どこ行くの? お腹すいたぁ~」
「ほら、前に話してたことあったでしょ。遠縁の美代志くんっていうお兄さんの
ところだよ。
お父さんは食べて来るみたいだから、美代志くん家でみんなで一緒に晩御飯食べよう」
テーブルに乗っているお弁当を見て、圭が鶏の唐揚げを1つつまみ食いする。
「うっまっ」
そしたら悟まで続いて唐揚げをつまみ食いした。
「はいはい、そこまでね。ここにお弁当入れて。行こう」
こんな風になんとなくの成り行きみたいな形で私は息子たちを連れて
美代志くんの家へと向かった。
美代志くんと息子たちとの対面は、本当はちゃんと彼にも段取りをつけてからと
思っていたのだけれど、バタバタしているうちに紹介しそびれていて、とうとう
こんな年末の慌ただしい時になってしまった。
『はて? 物流なんていう年末こそ忙しそうな職場に勤めている美代志くんが
帰宅しているだろうか? などと、彼が家にいるのか、いないのか、
どちらだろうなどと考えながら、私は車を走らせた』