数日が過ぎた。新しい自分の姿にどうしても慣れず、家に引きこもっていた。しかし、これが夢ではないことは嫌でも理解していた。鏡の中に映るこの醜い姿は、もうどうやっても消えることはない。それが現実だとしたら――どうする?
「……どうにかするしかないか。」
ため息をつきながら、ようやく決意が固まった。幸い、この世界には魔法やスキルというものが存在する。そして、私はひとつの強力なスキルを持っていた――【絶対防御】。攻撃を一切受け付けない、強力な防御スキルだ。しかし、このスキルを生かすには、まず自分が動ける体にならなければならない。
「垢抜けてやる。見返してやるんだから。」
そのように考えながら、垢抜けの為の情報収集を始めた。
その途中で、私はメイド達の噂話を聞いていた時に有益な情報を得たのだ。
「ダンジョン限定でにどんな油っぽい髪もサラサラに出来るドロップアイテムがあるらしいわよ…!とんでもないレアドロップらしいわ。」
な、何だって…!
そのレアアイテムの名は、ドラゴンの涙。
ダンジョン第一層のラスボス。ドラゴンを、10回ほど倒して一個出るかくらいの確率。
最も、そんなに倒せるほど弱くは無いのだ。
それに気付かないでエネアは、決心がついた瞬間体力作りを続けた。
倒れてもすぐに体力が元通りになるのである。エネアは1日に24回ほど倒れながら、剣の素振り300回、ランニング40kmを続けて行った。
決心がついた瞬間、体を動かし始めた。
体を鍛えてダンジョンに潜れば、 髪を整えることが出来るはず!
そのような異常な光景に使用人達は大困惑していたのだが、エネアはダンジョンへ向かうという事だけ考えていた。
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