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夜。
藍はベッドの上で、すでに布団にもぐっていた。
石川はまだキッチンで片付けをしていたけれど、ふと寝室から声が聞こえる。
「祐希さ〜ん……まだあ?もう寝るよ〜……」
「お前が先にベッド行ったんだろ」
「でも……一人じゃ寝れないもん……」
小さく甘える声が届いて、石川はふっと笑う。
部屋に戻ると、掛け布団から顔だけ出してこちらをじっと見ている藍がいた。
「……ぎゅーってしてくれないと、寝れないの」
「甘えすぎだろ」
「祐希さんにだけ、だよ」
その一言に石川は無言でベッドに入り、布団の中の藍をそっと抱きしめる。
すぐに、藍の体が嬉しそうにぴとっとくっついてきた。
「……落ち着く」
「俺も」
「え、ほんと?」
「ほんと。だから、早く寝るよ」
石川の声はどこまでも優しくて、
ふたりはそのまま、ぬくもりを分け合って眠りについた。