中は軍の基地とは思えないほど閑散としていた
まぁこちらとしては好都合のため気にせず侵入していく
hr「とりあえず俺は地下牢に向かう」
kyu「僕も護衛でついて行きます」
hr「了解」
ymd「残りはδ国の軍を始末しとくわ」
hr「情報吐かせる時に使いたいから完全には殺しきらないようにしてね」
so「了解っす!」
tk『地下牢組は地下へ行く道分かるの?』
kyu「あ、えっと…わかんないや」
hr「逆にわかると思うか?」
tk『確かに』
hr「それはそれで傷つくな…」
tk『まぁとりあえずは真っ直ぐ進んで、突き当たりで右側に進む。少ししたら鉄扉が見えるはずだからそこの扉を開けると地下への階段が見える』
hr「わかった」
tk『わかんなくなったらまた聞いて』
kyu「ありがと!」
hr「じゃあ行くか!」
kyu「そうですね!」
地下牢組は指示通りに動く
言われた通り右側に進むと鉄扉が見えた
hr「ここであってるよな?」
kyu「はい!…多分」
hr「まぁうたを酷い目に合わせた国に遠慮なんかいらねぇよな!よし、突き破るぞ」
扉には鍵がかかっていたので体当たりで開けることにした
何度か体を当てると扉が少しずつ開いていき遂に地下への道が切り開かれた
hr「よし、おっけ」
kyu「行きますか!」
hr「だな!」
階段を勢いよく駆け下りるとそこには薄暗い地下牢があった
hr「うわっ…暗すぎ」
kyu「超小型ですがライトは持ってます」
hr「ガチナイス!」
照らされるとそこは広くて不気味な地下牢が沢山あった
一つ一つ確認していたらキリがないほどの牢屋がある
hr「こちらはるてぃー!数人地下牢へ応援を頼む」
インカム越しに幹部に伝える
到着を待つほど時間を取れる余裕は無い
先にうたのことを探すことにした
hr「きゅー、一瞬耳塞いどけ」
kyu「え?」
そう言うと深呼吸をした
そして大きく叫ぶ
hr「うたあああああああああああああああああ!どこだあぁああああああああああああぁぁぁ!」
地下だから反響するはず
そう思って大きな声で叫んで俺らの存在を伝えることにした
kyu「み、耳塞いでてもだいぶうるさかったです…」
hr「ごめんごめんw」
kyu「けどこれでうたくんに伝わってたら良いですね」
hr「聞こえてたらいいんだけど…」
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ぁぁぁぁぁ…
ut「ん、なんか聞こえたような…。もしかして彼奴らか?」
微かにだが声が反響する音が聞こえた
もしかしたら今なら合図をこちら側から出せたら気づいてもらえるかもしれない
だが自分から大きな行動を起こすのはリスクが伴う
もしこれが仲間じゃなくこの軍の人間だったら自分の命は今より危険な状況にさらされてしまう
ut「けど…」
ここで動かなければもうチャンスはやってこないだろう
それに…
ut「やらない後悔よりやる後悔…」
そう口走った後、俺は鉄扉に体を打ち付けていた
ut「気づけ…ッ!開け…ッ!」
ただがむしゃらに体当たりするのではなくちょっと工夫を入れて当たってみる
・・ー ー・ー
ut「反響するから意味ないかもだけど…彼奴なら分かるはず…」
自分の体力が切れるか
軍のやつに気づかれるか
仲間たちが助けに来てくれるか
時間の問題だった
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…ー
hr「…お?」
kyu「どうかしました?」
hr「何か聞こえた気がしたんだけど…」
kyu「嘘…何も聞こえませんが…」
…ー・ー
hr「やっぱり聞こえる…!けど何かがわかんない…」
そう思っていると地上から地下へ続く階段が開いた
km「さっきインカムで指示来たから来たで」
hr「お、ちょうどいいところに!」
今来たばかりのこむぎに事情を説明した
km「なにか聞こえるけどそれが何かわからんってこと?」
hr「そうなんだよ。規則性がある音に聞こえるんだけどはっきりと聞こえなくてさ…」
kyu「僕はそもそも何も聞こえてないんですけどね…w」
km「わかった!ちょっと聞いてみるわ!」
hr「サンキュ!」
遠くから聞こえる鉄扉の反響だけが聞こえる
規則性のある音が聞こえるがあんまりはっきり聞こえない
km「なんか扉叩いてる音やと思うんやけど…」
kyu「扉を?」
km「あ、こっからは俺の予想な?」
hr「おけおけ」
km「多分これは牢屋の中からの音やと思う。だから誰かが中から合図出してるんちゃうかな?で、音に規則性があるから何かメッセージになってるんやと思うねん」
hr「音で伝えるメッセージ…。まさか…!」