ドズぼん 朝
りあさんリクエスト
大変お待たせしました。
※事後表現っぽいけど直接的な表現はない。
※すごく短い。ごめんなさい。
「….ん、んっー…..ふぅ。」
身体を起こして軽く伸びをする。
うっすらと開いた遮光カーテンの隙間から細く朝日が差し込んでいる。
寝起きであまり働いてない頭が少し刺激される。
なにかわるい夢を見ていた気がする。けど───
一番に目につくのは、隣で寝ている相方。
それを見たら、悪夢の残穢なんて消え去った。
朝日が髪に当たって少し茶色に見える。
少し眉に皺が寄っている。
夢の中でも仕事をしているのか、それとも嫌な夢でも見ているのか。
どちらにせよ、いつも社長として頑張っているのだから、疲れが溜まって当然だ。
最近結構仕事を詰めたスケジュールで、やっと24時間なにもしなくていいお休みの日がとれたのに。
前日の夜からなにやってんだこの人は。
唐突にうちに来て、コンビニで買った缶ビールを何本か開けて、気がついたらベッドに押し倒されていた。
俺も酔っていたのか、それを拒むことはなかった。
でも、身体のどこかが痛い、とかそーゆーのはない。
まだ、身体の奥に少しだけじくじくした何かが、残っている。
酔ってても理性が働いていたのか、はたまた激しくする体力も残ってなかったのか。
とりあえず今からなにをするか決めるために時計を見る。
14:12。
今日の予定、二度寝決定。
もう朝でもないし昼飯を作るのもめんどくさい。
ゆっくりと眠気が襲ってくる。
もはや本能的に、まだ目を覚まさない相方の腕と薄い掛け布団の間に入る。
「んっ….?んー…。」
起こしたかと思ったが、どうやら大丈夫だったらしい。
まだ、眉間に皺が寄っている。
指で軽くぐりぐりと押すと、すこしはマシになった。
やっと、いつもの『ドズルさん』だ。
ゲーム実況者でも、YouTuberでも、社長でもない。
俺の相方。
「…やっぱりドズルさんはかっこいいわ。」
思わず笑みをこぼしつつ誰にというというわけもなく呟く。
ドズルさんの手を自分の頬に当て、温もりを感じながら、二度寝。
「お、やすみ…俺の…」
沈み行く意識の中。
俺はなにを言おうとしたんだったっけ。
続きの言葉が口からでる前に、俺の意識は夢の世界へ溶けていった。
眩しい。
起きてまず一番にそう思った。
どうやらもう朝らしい。
「ん…い、ま、なんじ…?」
あわてて時計を見て、しまった、と一瞬思ったが今日は1日休みを取っていたことをすぐに思い出して安堵の息をつく。
隣にはサングラスをかけていない、僕だけが知っているぼんさんが寝ている。
そういえば昨日、やっと仕事が一段落ついたからぼんさんの家に押し掛けたんだった。
それで、いつもならちゃんと同意を得てからするのに、ちょっと余裕がなくて…つい、ちょっと強引に押し倒してしまった。
なにか悪い夢でも見ているのか、涙がすこし滲む目。
そしてその下にはうっすら隈ができている気がする。
たぶん本人に自覚はないけど、最近そこそこ忙しかったし、ぼんさんも疲れてるはずだ。
最近まともに寝れているんだろうか、この人は。
滲む涙を指で拭う。
擦っても消えない薄い隈。
「…疲れたら休まなきゃいけないんですよ?」
年上の相方の髪をくしゃくしゃと撫でる。
「んぁ…?ん….。」
起こしてしまったかと思ったが、問題なさそうだ。
ゆっくりとした呼吸音が聞こえてくる。
もう、その目に涙は滲まなかった。
「おやすみなさい….僕のぼんさん。」
今日はとりあえず予定はなにもない。
こんなに二度寝にぴったりな環境はない。
壁の方に追いやられている薄い掛け布団を自分とぼんさんに掛けて、また眠りにつく。
次に起きたときは、きっとぼんさんも起きるだろう。
そしたら、ふたりでお菓子でも食べようか。
とりあえずそれまでは、ふたりで───