アレから3週間、すいちゃんに協力してもらって、逆待の証拠を集めた。
もう警察には連絡している。
でも、みこさ、警察が下すであろう罰じゃ、気が済まない。
みこは、すいちゃんが大好きで、鯛焼きが好きで、すいちゃんの為に強くなれるんだ。
…警察が調査している間に、すいちゃんは傷付き続ける。
警察はもう信用出来ない。
…でもね?みこはエリートだから、逆に警察を利用しちゃえば良いんだ!
「んじゃあ、行こっかな」
いつもとは少し演技の方向性を変えてみようかな。
そう呟いて、スマホのライトで合図を送る。
そうしたら、2階のベランダの窓があいて、すいちゃんがロープを伝って降りてくる。
「…ねぇ、みこ、本当に大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ、」
今からみこ達が演じるのは、、
みこ達だ。
「あはっ、凄いにぇ!似合ってる!」
「…本当?」
「うん!本当」
裏庭に回って、互いの衣服を交換して着替える。
すいちゃんとみこはさほど身長が変わらない。
みこの方が3センチ程度小さいが、すいちゃんのお父さんはきっと気付けない。
…何故こんな回りくどいことをするのか、それは、体に痣や傷が無いと、警察は動かないから。
まぁそんなことはどうでもいい。
「すいちゃん、」
すいちゃんが合鍵を手に持ち、静かに玄関の鍵を開ける。
「すいちゃん、自分を抑えないで良いよ。」
その一言で、すいちゃんの雰囲気がガラッと変わる。
「ありがとう!みこ!すいちゃん行ってくるね!」
まるですいちゃんじゃない様なテンションだ。
…きっと、これが”すいちゃん”なんだ。
「そうだね、でも、一緒に、だよ。」
言葉を発しながらも目を見張る。
彼女が拳を握った、その瞬間、彼女がとても大きな斧を持っている様に見えたんだ。
数時間後、警察が来て、二人の少女を囲んで立つ。
警察は、この件をこう片付けた。
ある少女の親友が、少女の日常的な虐待に気付き、少女の父親に抗議をしに行った。
その結果、激怒した父親に殴られ続け、間一髪のところで、少女が父に椅子を投げつけ気絶させた。
しかし混乱状態に合った二人は、父親を少しの間殴り続けた。
そして少女の方が気絶している事に気付き、通報した。
父親は、虐待で約35年の懲役となった。
みこ達は厳重注意になっただけ、
「あはっ、計画通り♡」