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#溺愛
桜咲かな
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桜咲かな
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『、、、、絵、描くのやめよう、、。』外に出ると肌寒く、
冷たい風が吹き抜ける秋、
僕はもう、絵を描かないと固く決意した。
、、、、はずだった。
今は春。家の近所の公園にある桜が、少しずつ花を咲かせ始めた頃、
僕、神田 光(かんだ ひかり)は新たな高校生としての生活に、心弾ませる、、、、とまではいかずとも、それなりに楽しみを感じていた。
家からそれなりに距離のある学校で、電車で1時間、歩いて駅から15分くらいだ。
それでも、僕はこの学校に決めた。
絵から離れるために。
見学の時と受験した時の2回、もうすでにこの校舎には足を踏み入れたことがあるので
そこまで緊張はしなかった。が、生徒として入るのは今日が初めてであるため、多少そわそわしているかもしれない。
さて、家から距離のあるこの学校に知り合いなどいるはずも無いため、初めは友達作りも肝心な項目である。が、余裕を持って。いや、持ちすぎなくらいに早く登校したため、まだ校舎からは静かな空気を感じる。
門をくぐり、1年生の下駄箱へだいぶ遠回りになりながらも、無事到着した。
クラスが割り振られた紙が下駄箱に何カ所かに貼ってある。
さてと、僕は何組かな。
と、自分の名前を探し1組から順に見ていこうとした時。
自分の名前よりも先に目に入った名前があった。
『 小茂田、、詩織、、?』
見間違えに決まっているのだ。
見間違えに決まっているのに、
何故か僕の目には小茂田 詩織(おもだ しおり)
という字がはっきりと写っているのだ。
きっと何かの間違いだと大脳は判断しているのだけれど、わかっているのだけど、自分の中の本能は、真実を確かめたくて仕方がなかった。
僕は自分のクラスそっちのけで3組めがけて廊下を爆速で走った。
『 小茂田詩織ッッ!!!!』
普段、体力がミソッカスな僕だから、走った後声を張るようなことが出来るようなガラじゃないのだけど、その時は腹からバカデカイ声が出た。3組のドアを勢いよく開けながらそう叫んだ。教室には1人の男が窓側に立っていた。
こんな早くに登校しているのが求めていた相手だなんて奇跡としかいいようがないが、
そこには本物の詩織が立っていたのだ。
2人きりの、教室。
お互い初対面なのに、まるでずっとずっと知っていたかのような口ぶり。
光が口を開いた。
『なんで、小茂田詩織が、、、普通科に、?』
次に詩織が振り向いて、言った。
「俺こそ聞きたいね。なんで神田光がココ(普通科)に?」
少しの間、時が止まっていた。
ただ、春のぬるい風だけが、
教室の中の2人の間を横切っていった。
コメント
1件
おお、これは良い…! 第1話からすでに「絵を描くのをやめる」決意と、まさかの再会が重なる展開、めっちゃ気になるわ。春のぬるい風が2人の間を横切るラストの描写、映像が浮かんできた。 普通科に来た理由がまだ見えてこないからこそ、「なんで?」っていう謎がガツンと刺さる。次が待ちきれない🔥