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配られた人狼メールを拝見したみんなの空気はピリつくものを感じた。心がザワつくと言うのか、恐怖と胸騒ぎで動揺は隠しきれなかったのだろう。みんな、少し青ざめた感じだったので、何を投げかけても揉めるだろうなとは思っていた。何故ならこれは人狼ゲーム。ただのゲームならまだしも、生死を掛けた賭け。相手を貶める過酷なゲームなのだから。
そのメールの次、新たな新着メールが送られてきていた。
(なんだろう?)
スマートフォンをスワイプして次のメッセージを見る。
(?)
[ゲーム中は、自室を用意されます。占い師や弁護士などの特殊な役職に限り、各アイテムを配布しております。ゲームに従いお使い下さい。]
すると、考える間もなく大きな音がした。
ギィィィ…
錆び付いた鉄の扉の開く音。中には白いベッドと机と椅子。そして謎の黒い箱。後ろを振り返ると各自、名前の書かれたネームプレートの書かれた部屋の前に立ち、吸い込まれるように入っていった。
玲奈は入る前に一言呟いた。
「あ……貴方達なんか…信じてないから。」
涙の流れた後と真っ赤な目をみんなに向け呟いた。
その言葉に、感情は感じられなかった。
ガチャン…
部屋は思ったより狭く2畳程度の小さな小部屋。個室と言うべきなのか。私は机にスマホを置き、黒い箱を開けて中を覗く。1枚の手紙に1本の鉛筆。何かメモを取るのだろうかと思いながらも、手紙を開く。
宛名は親愛なる貴方へと書かれていた。
『君はこの人狼ゲームの占い師だったのだろう。人狼の追撃を上手く交し、人の皮を被った狼を吊り上げ無ければならない。占い方法は簡単だ。あるパスワードをARIAのアプリチャットに送り占う相手を選ぶだけ。辛いかい?もしかすれば自分が吊り殺してしまうかもしれないと言う恐怖に?案ずるな。所詮はゲーム、勝てば天国負ければ地獄。結局ここにいる理由は死んでいるからなのだ。君は今から天か地獄か選ぶだけなのだから。』
手紙の下に番号が記載されている。
「これかな?」
ARIAのアプリチャットに入力し、送信した。
返信には時間が掛からなかった。
『ARIAは誰を占う??』
そんな文字の下に顔写真付きの名前が記載されたリンクが表示されていた。正直迷っていたがこれだと感じだった人を占った。
(……え)
これは…どういう事?本当にこの人が…?でも人を殺すなんて。
そう自問自答している間に眠気が襲いかかり、意識は深く落ちてゆく感覚だけが分かった。
いやぁぁぁあぁああぁぁぁ!!!!
な……何やねんこれぇぇ!!!
嘘…。
外から響く声に目が覚め、すぐ部屋を出た時に、悲鳴を挙げる時間はそう遅くは無かった。
ただ、雄二という男が無惨に腹を切り裂かれ内蔵を抉り出され、血溜まりが床に溜まった部屋に吐き気を覚えた。雄二の顔は恐怖に染まった恐ろしい顔をしていた。痛かっただろうに…。辛かっただろうに…。
とりあえず彼の遺体は調べるということになり調査を始めた。
「見て、芽郁。髪の毛が遺体に付いている。この毛は短髪…あの栄太という奴か玲奈と言う奴は短髪…あのどちらかと思うが、どう思う?」
爪先で髪の毛をつまみ上げ手に乗せる。
「だけどこれがあの二人だけの物とは限らないわ。体毛に限っていくと貴方と言う可能性もあるのよ?」
「ふぅん、そっか。」
加奈子は立ち上がり、外のベットに腰を掛けて部屋を見渡していた。
「てか思うんやけど、こんなんするんやったら占い師がカミングアウトして人狼当てたらええんとちゃうんか?」
栄太は眉間にシワを寄せてテーブルに手を付いた。
「はぁ、あんた馬鹿なのかな??ソイツが人狼って可能性あんだしそんなの信じられるわけなくない??馬鹿?」
「お前は馬鹿しか言えんのか?」
「何?私が馬鹿しか言えないアホって言いたい訳?ウザ、キモ、てかアンタが死んだら良かったんじゃないの?人狼も見る目無いなぁ。」
大きな溜息を着く玲奈に、腹が立ったのか「はぁ?!」と、大声で怒る。
それよりも大事なのはこのゲームの人狼をいち早く見つけなければならないのに、喧嘩なんかしてられないのに…。
言葉が詰まり何も言えない。
カーンカンカンカーン
鐘の音と共にARIAの声がスピーカーから響き渡った。
『はいはーい!栄太くんと玲奈ちゃんはそろそろ黙ろっか〜?』
「…っ!!!」
栄太は声が出る前に口を塞いだ。
『覚えてたんだね?ゲーム中は僕に話しかけることは禁止だもん。』
ARIAはマイク越しからケラケラと笑っていた。
『そろそろ裁判始めない??』
4話へ続く