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ハチクが英雄家族の新たな家族となった日から数日後。テレビをつけたすまないの目に飛び込んできたニュースがあった。
《先日、○○市の住宅にて、動物の死骸が見つかりました。警察はこれまでの無差別動物殺傷事件と同一人物だと犯人の行方をおっています》
「ひぇ〜・・・怖いね・・・」
「怖いですね・・・動物たちを殺して、なんになるんでしょうか・・・」
と、すまないとエウリはそのテレビを見ながらそうつぶやいた。
「しばらく、お散歩は危ないかな・・・」
「そうですね・・・無差別に動物を殺している犯人あったら、ハチクも天満も蓬莱も、あと、すまないさんも危ないですしね」
「え、僕???」
「だって、よくお散歩に行ってるじゃないですか」
「まぁ、そうだけどさ・・・」
と、すまないは少し頬を膨らませた。この時はちょっと拗ねたときにやる癖だ。それにエウリはすこし笑い堪えている。
「にしても、この犯人さん・・・一体何が目的なんでしょうね・・・」
✵✵✵✵✵✵
学校帰り、天満たちはワイワイとアイスでも買って帰ろうかと話しながら帰っていると。
ふと、血の匂いがした。それは、微かで気が付かない人もいるだろうが。血のような鉄臭さが漂ってきた。
「・・・ん?なんだろう・・・」
「誰か怪我してるんじゃないかな!!」
「・・・一応、1番戦闘力の高い天満、風音、私でいくわ。カネリは銀子とイグとトキを守ってて」
「私紙装甲よ???」
「黒ドレスの下に無数の暗器仕込んでいるお嬢様が何言ってんのよ」
と、蓬莱、風音、天満は警戒しながら、血の匂いを辿る。
✵✵✵✵✵
匂いの元に近づく度、鉄の匂いが辺りに充満している。
天満たちは警戒しながら、匂いの元へと近づく。すると、
ザシュッザシュッ
ナイフかなんか鋭いものを振り下ろし、肉を裂く音が。
そこには、数名のフードを被った恐らく大人が数体の犬にナイフを振り下ろしていた。
・・・あの犬が野良なのか、はたまた飼い犬なのかは知りたくない。
(・・・なに、この状況・・・普通じゃありえない・・・いや、そんなことより、これ、普通じゃないよね?・・・とりあえず、ここから逃げ・・・)
すると、足元にあった空の缶を蹴り倒してまう。
「しまっ・・・!」
「誰だ!」
「!!」
風音と天満は目線を合わせ、天満は蓬莱を抱き抱えた。
風音はインベントリから避雷針を取り出し、それを投げ飛ばす。そして、その避雷針向けて雷を落とした。
雷が落ちたその場には白煙が立ち込めた。
「にっげるんだよー!!」
天満は蓬莱を抱え、逃げ出した。風音も天満に並ぶように走っていった。
「くそっ!追いかけろ!!」
リーダー格らしき人がそう指示すると、そのリーダー格以外のフードの大人は天満たちを追いかけた。
✵✵✵✵✵
「“ウィザー”」
「あ、あ・・・」
と、待っていた4人(トキは寝ているため、3人)は呑気にマイクラ縛りのしりとりしていた。銀子はうーんと“あ”のつくマイクラ縛りを探していると、ひゅんっと駆け抜けた人達に見覚えがあった。
「あ、天満くん!・・・あっ!!“ん”がついた!!」
「いや、その前に天満はマイクラじゃないわよ?」
「いや、天満くんたちがさっき凄いスピードで・・・」
すると、天満たちは銀子たちに気がついたのか、走りながら叫んだ。
「“逃げて!!!”」
「「「え?」」」
すると、路地裏からローブの大人たちが。
「「「!?!?!?」」」
銀子はトキをおぶり、カネリとイグ、そして銀子も走り逃げた。
✵✵✵✵✵
「なになになになになに!?!?何よあいつら!!」
「知らないよ!!トキくん!!起きて!!!」
「Zzz・・・」
「ダメだ!!トキくん1回寝たらなかなか起きないんだった!!」
「くそが!!」
「・・・・・・」
ちなみにイグの翻訳は『カネリ、口調がお父さんみたいになってるよ』と喋ったのだった。イグは一応喋るのだが、大概人が聞こえないHzで話すので、無言に聞こえる(天満達には聞こえるが)
「とりあえず、あいつらに捕まったらヤバいってことだけは分かるわ!!!」
「あ、カネリちゃん達やっほー!!」
「やっほーじゃない!!!」
と、6人+寝ている1名は逃げまくる。すると、
『皆さん!!次の角を右に曲がってください!!』
「右!?よく分からないけど、分かったわ!!」
と、カネリたちは角を右に曲がる。
✵✵✵✵✵✵
「くそっ・・・どこいった!?」
大人たちは、角へと向かった。だが、そこには先程の子供たちの姿は無かった。
「くそっ・・・!!探せ!!」
と、大人たちは違う道へと向かった。
「・・・ふぅ、危なかったわ・・・」
「あの・・・蓬莱さん・・・これは死ぬんだけど・・・」
「それはイグよ」
「イグちゃぁああん!?!?」
「・・・・・」
天満たちはふわふわと空に浮いていた。角に曲がった途端、イグと蓬莱の“浮遊”で空を浮かんでいた。・・・急いでかけたからか、天満は逆さまだが。
「・・・とりあえず、これだけは言えるわ・・・私たち、なんかめんどくさい事件に巻き込まれたことってことわね」
と、カネリはそうつぶやいた。