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〈五〉
『…次は借り物競走です』
借り物競走、お題にそった物や人を持ってくる競技。これにはらおが出るため楽しみにしていた。
…ちなみにさっきの障害物競走ではおさでいは完敗であった。
「そういえばこれなと出るよ」
いらない情報を出してきたたちばな。俺はうちのクラスを応援する気しかない。そんな俺を置いてこちらをガン見してるやなと。その隣にいるらおに口パクでがんばれというと、やなとには意図が伝わっていたようで、口をふるらませていた。つい口が緩んでしまう。
『よ〜い、どん』
競技がスタートし、生徒が一斉に走り出す。みんな早いがその中でズバ抜けて速かったのは、意外にもやなとだった。彼は一番にお題を引くと、少し苦い顔をしていた。そしてこちらに顔を向け、悩む素振りをし、走ってきた。
「先生ピン頂戴」
やなとのお題はピンだったらしい。
「ちゃんと返せよ?」
「頂戴」に引っかかったため確認はしておき、ピンを外した。少し髪が落ちてきたため耳にかける。
「僕のピン貸そうか?」
耳にかけた動作を見て、尋ねてきた。手短くいらないと答え、彼はゴールへ走っていった。
『一着。C組』
やったーと楽しそうに飛び跳ねている。その笑顔になぜか懐かしさを感じた。
競技が終わり、やなとがピンを返しにきた。
「はい、先生。ちゃんと返したからね」
ありがとうと受け取り、付け直した。そういえば気になっていたことがあるため、聞くことにする。
「俺のところに来たから、てっきり『好きな人』とかかと思った」
思ったことをそのまま口にしただけだが、結構恥ずかしいことを言ってるなとあとから後悔が押し寄せてくる。するとやなとは口を尖らせて愚痴らしきことを言っていた。
「俺も先生に当てはまるものこい!って引いたのに、物だったんだよ!?もう借り物競走じゃ無くて正式に借り人競争にしようよ…」
そんなことで怒ってるなんてかわいい人だなと思ったが、流石に口にはしなかった。そんなこと言ったら、まるでやなとに惹かれているようなものだ。
「てか次は綱引きだよ!次こそは応援してよね」
「はいはい笑」
と笑い、彼のふわふわとした髪に手を添えた。彼は少し驚き、幸せそうな表情になっていった。俺は少しむず痒くなり、手をどけた。今日の俺は少し変だった。
コメント
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第5話お疲れ様です〜!!🎀✨ 借り物競走で「先生ピン頂戴」って来たかと思ったら、先生の方も「好きな人かと思った」って本音チラ見せしちゃうとことか、もう尊すぎて叫びました😭💕 やなとくんが「借り人競争にしようよ」って拗ねてるのとか、先生が髪に手を添えたとことか、甘酸っぱさが止まらない…!! お互い意識し始めてる感じがエモすぎるよ🌸 綱引き編も楽しみにしてます!!🔥