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第35話 「決断の時」
「別れようか。今まで付き合わせて、ごめんね」
京輔が夏実からの言葉を素直に受け入れてしまってから、少し時間が経った。
大学構内ですれ違えば挨拶はするし、無視されたりもしない。
ぎこちない笑顔を向けてくることに、複雑な想いを感じてはいるけれど。
(……別れられてせいせいしたって感じじゃないけど……でも、真面目だから後ろめたく思ってるだけかもしれないし……)
――別れを告げられたとき。
何もかもかなぐり捨てて、「別れないでくれ」と縋ればよかったのか。
でも。
(あんなほっとした顔見せられて……自分勝手に引き止められるわけないよなー……)
引き止めたら、もしかしたらそのまま関係は続いていたかもしれない。
――夏実の気持ちを、抑えつけて。
結局自分がどうすればいいのかわからないまま、日々は過ぎ、先日美樹に「ばっかじゃないの!?」と罵倒されたのだった。*********************
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