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𝚑𝚛𝚝 . 𝚂𝚒𝚍𝚎𝚊𝚐𝚎 14
いつもの交差点
どんどん車が減り
太陽が西へ沈む
人の賑やかな声は止み
静かな交差点に
ポツポツと雪が降る。
地面に落ちて溶けて気づいたら雨になっていた
傘もささずに屋根のないバス停で立っている君を横目で見つめる
「 元貴 」
振り向いた君は
雨の中で暖かな笑顔を浮かべていた
かじかんだ指の先がじんわりと汗で濡れる
鼓動が速くなる
「 若井来てたんだ 」
「 風邪引くよほら傘入んなよ 」
傘を差し出す僕の手を振り払い抱きつく
持っていた傘を地面に落とし
行き場の無くなった手を君の腰に回す
じっとりと湿度の多い雨が髪にポツポツと落ち
濡れた服の感触が気持ち悪い
「 若井 」
「 ん? 」
首を傾げながらゆっくり顔を覗き込む
赤信号が音を立てながらチカチカする
「 俺若井のこと好き 」
ゆっくりと雨がまた雪に代わり
君の頭に雪が積もるそれを
ゆっくり愛しげにはらった後
濡れた服を暖めるように撫でながら
「 俺も 」
道路が凍り始めどんどん寒くなる
そんな中僕たちは抱きしめあって
温度を確認した
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