夜明け前の小屋は静寂に包まれていた。リオの低い寝息と、木々の間を抜ける風の音が心地よい音楽のように響く。そんな中、萌香は夢を見ていた。
萌香は気づくと、大理石の豪華なバスルームに立っていた。
湯船には澄んだお湯がたっぷりと注がれ、温かな湯気が立ち上っている。
「こんな贅沢…どうしてここにいるの?」
不思議に思いつつも安心感が彼女を包む。萌香は湯船にゆっくりと足を沈め、その心地よさに思わず声を漏らした。
「はぁ…気持ちいいなぁ。」
その時、背徳感とともに尿を風呂の中で体外に流す。
湯船の中でリラックスしていると、ふと湯の中に漂う不自然な影に気づく。
「ん?何これ…?」
彼女が湯の中に手を伸ばすと、その影が突然動き出し、お湯がぐるぐると渦を巻き始めた。
「うわっ、何これ!?え、待っ…!」
その瞬間、渦が彼女をのみ込み、夢はぷつりと途切れた。
「…ん?」
萌香ははっと目を覚ます。夢の感覚が妙にリアルで、身体が重く、どこかじっとりとした湿り気を感じる。
「え、何これ?」
寝袋の中で足を動かすと、妙にぬるりとした感触が広がった。
「ま、まさか…嘘でしょ!?」
彼女は慌てて寝袋から這い出し、自分の足元を確認する。そこには明らかに自分が原因である湿った跡が広がっていた。
「…何か起きたのか?」
隣で寝ていたいさなが、目をこすりながら起き上がる。
「いや、あの、その…なんでもない!」
萌香は必死に誤魔化そうとするが、いさなの目はすでに床の濡れた跡にロックオンしていた。
「…萌香、それ、何?」
「な、なんでもないってば!」
いさながじっと濡れた寝袋を見つめた後、不意に真剣な顔で言った。
「おい、この匂い、もしかして新しい恐竜の痕跡じゃないか?」
「はぁ!?違うから!!」
萌香は全力で否定するが、いさなは真面目な顔で続けた。
「いや、これは危険だ。俺が確かめるしかない。」
そう言うと、彼は寝袋を掴み、匂いを嗅ごうとした。
「やめてぇぇぇ!!!」
萌香は全力で寝袋を取り返し、隅っこで顔を真っ赤にして縮こまる。
その声に、みりんとゆうなが眠そうな顔をしながら起きてきた。
「何?朝から大騒ぎして。」
「…って、何か湿ってる?雨漏り?」
「違うの!!何でもないの!!!」萌香は顔を両手で覆いながら叫ぶ。
みりんが怪訝そうな顔で寝袋の濡れた部分を見つめると、いさなが妙に得意げに言った。
「どうやら萌香が何かを生み出したらしい。これ、新たな資源として活用できるぞ。」
「いや、なんの資源だよ!?」ゆうなが突っ込みを入れると、みりんが肩を震わせながら笑い出した。
「ごめん…ちょっと、朝から面白すぎる…。」
「もういい加減にしてよ!!!」
萌香は顔を真っ赤にして、全員に向かって叫んだ。その声には羞恥心と怒りが入り混じり、リオですら小さく唸り声をあげた。
いさなが肩をすくめて言う。
「まあ、事故だし誰にでもあることだろ?気にすんな。」
「…本当に気にしなくていいの?」みりんが顔を赤くしながら笑いを堪え、ゆうなはあきれ顔でため息をついた。
「よし、じゃあ朝飯にしようぜ。水が足りないし、萌香の…いや、冗談冗談!」
「やめてぇぇぇ!!!」
朝焼けが小屋を包む中、萌香の声が再び響き渡った。次回、ようやく恐竜退治が始まる…かもしれない。
コメント
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ちょ、これはギリアウトだろww