朝の光がキャンプを包み込み、森のざわめきが4人を迎える。朝食を終え、静かにくつろいでいたその時、いさなが唐突に口を開いた。
「なぁ、思ったんだけどさ――移動用の恐竜を手に入れないか?」
萌香はスープをすすりながら首をかしげる。
「移動用って…リオがいるじゃない。」
「いや、リオは万能だけど、だろ?」いさなが自信満々に指を立てる。「もし俺たち全員で長距離移動するなら、大型の恐竜が必要だろうが。」
「なるほど…でも、そんな都合よく捕まえられるの?」ゆうなが目を細めながら聞く。
みりんはスプーンを置き、腕を組む。「大型って…もしかしてティラノサウルスとか?それとももっと大人しいやつ?」
「そうだな…最初は草食恐竜がいいかもな。カルノタウルスに追われる中で試乗とかしたくないだろ?」
「いや、試乗じゃなくて死亡フラグでしょ。」萌香がため息をつく。
いさなは立ち上がり、リオの頭を軽く撫でながら言った。
「とりあえず周辺を探索して、良さそうな恐竜を見つけようぜ。草食恐竜なら近くの草原にいるはずだ。」
「まぁ、悪くないアイデアね。」みりんが頷く。「長距離移動を考えると、確かに大きな恐竜がいたほうが効率的だし。」
「じゃあ決まりだな!」いさなが拳を上げる。「俺たちの新しい相棒をゲットするぞ!」
4人と1匹のチームは、森を抜けて草原に向かう。途中で小型の恐竜たちが姿を見せるたびに、リオが低い唸り声を上げ、彼らを威嚇する。
「リオ、頼もしいけど、あんまり大声出さないでよ。」ゆうなが注意する。「他の大型肉食恐竜を呼び寄せたくないから。」
「まぁ、大丈夫だろ。」いさなが軽く笑う。「俺たちは恐竜マスターになる運命だ。」
「その自信はどこから来るのよ…」萌香が呆れたように笑う。
広がる草原にたどり着くと、遠くにゆったりと歩く巨大な草食恐竜の姿が見えた。
「おお!あれはブラキオサウルスじゃないか!」いさなが声を上げる。
「でかいけど…どうやって手なずけるの?」みりんが恐る恐る尋ねる。
「近づいて様子を見よう。」いさながリオを撫でながら言った。「餌を与えれば、案外簡単に仲良くなれるかもしれない。」
「その楽観的すぎる考えが心配なんだけど。」萌香は小声で呟いた。
いさなは慎重に歩を進め、リュックから採集した木の葉や果物を取り出す。
「よし、これで…」
彼がブラキオサウルスの前に餌を差し出すと、巨大な頭がゆっくりと降りてきた。その目は驚くほど穏やかで、しばらくいさなをじっと見つめる。
「ほら、怖くないぞ…おいしいぞ…」
ブラキオサウルスは慎重に鼻先で匂いを嗅ぎ、ついに果物を一口かじった。
「やった!これで仲間だ!」いさなが興奮して叫ぶ。
「じゃあ、名前はどうする?」みりんが問いかける。
「うーん…“サニー”ってどうだ?」いさなが提案する。「明るい未来の象徴として。」
「いいじゃない!」ゆうなが拍手する。「これで移動がもっと楽になるね。」
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さにーがぁr(