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アルモニア村の広場に、村人たちが集まっていた。
村の中心には玲央。彼の前には村の長老であり、今までの村長だったエンリコが立っている。
「……本当にいいのか?」
玲央は腕を組みながら、目の前の光景に戸惑っていた。
目の前には、村長の証である木製の指輪と、装飾が施された一本弦のギター。
「お前が新しい村長だ、玲央。」
エンリコの言葉に、村人たちが一斉に歓声を上げた。
「おおおーーー!!」
「玲央!頼んだぞ!!」
「俺たちのリーダーになってくれ!」
玲央は口を開きかけたが、言葉が出なかった。
(……いやいや、どういう流れだよ。)
たしかに、村の戦士たちを率いて訓練したり、村の防衛について話し合ったりすることは増えていた。
リュカや他の若者たちと一緒に、村の戦闘力を高めるための方法も考えた。
だが——
「ちょっと待てよ。」
玲央は片手を挙げて、村人たちの興奮を制した。
「俺が村長?冗談だろ?」
エンリコは静かに首を振る。
「冗談ではない、玲央。お前ほど、この村を理解し、導ける者はいない。」
リュカが肩をすくめながら言う。
「実際、ここ最近は村の若い奴らもみんな玲央の言うことを聞いてるしな。」
別の村人も続ける。
「戦いの指揮も玲央が取ってくれてるし、村の守りも強くなった。」
「それに、音楽の力を使って戦う新しい戦法まで作ったのは玲央だ!」
玲央は眉をひそめた。
(……まじかよ。)
村人たちの熱い視線に、逃げ道はなさそうだった。
エンリコがゆっくりと、玲央の手を取り、村長の指輪をはめる。
「玲央。お前は村を変えた。そして、これからも変えていくだろう。」
玲央は小さく息をついた。
「……まぁ、いいさ。」
ギターを手に取り、ポロンと弦を鳴らす。
「だったら、最高のノリでいこうぜ?」
村人たちは笑いながら、楽器を鳴らし始めた。
音楽とともに、新しいアルモニア村が始まる——。
玲央、アルモニア村の村長に就任!