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僕と俊さんが出会ったのは3か月前…
11月の冬の寒い夜の日だった。
突然雨が降りだして、雨宿りをしようと屋根のある場所を探していた。
スマホも充電が切れて使い物にならない
家出をして4日目、財布も軽くなってきた。
朝からご飯を食べておらず、力が入らない。
「ケホッ」
乾いた咳が出る。
まずい…この感じ…
段々と咳が酷くなる。
目の前がフラフラとする。
その時正面から来た人に気づかずにぶつかってしまった。
「すみま…ケホッゴホッ」
顔を上げると3人組の男に囲まれていた。
「なんだぁ?こいつ」
「ぶつかってきやがって」
「つか、めっちゃ可愛い顔してね?」
顔を掴まれ、喉がヒュっと鳴る。
あ。死ぬ…僕…幸せになれずにこのまま死ぬ
涙が一筋流れたのが雨の中でもわかった。
その時ー
「離せよ」
遠くで聞こえた低い声…。
「離せつってんだよ」
僕の頬を掴んでいた男の手を助けてくれた誰かが叩く。
「っはあっ!!!」
僕は小さく丸まり、できる限りの息を吸った。
グラグラしていた視界が鮮明になってくる。
男3人よりも高い身長…そして、切れ長の目…
男3人は慌てて逃げていった。
「大丈夫?」
しっかりと見たその人の綺麗な顔に驚いた。
僕は静かに頷いた
「大丈夫…なら俺行く」
「えっ…」
「大丈夫なんだろ?」
その人は少し意地悪な顔をする。
段々と遠くなっていく大きな背中…
「たっ…た、」
今までもずっと言えなかったこの言葉…
ずっとずっと我慢して言えなかった言葉…
「た、た…助けてくださいっ!!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。
初めて行った「助けて」という言葉
「よく言えました」
その人はしゃがみこむ僕と同じ目線にしゃがみ、
そっと微笑んだ