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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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♡嫌いな人
新野くんのおかげで、忘れ物をすることなく、最後の時間も終わった。
帰りの会も無事終わり、これから帰るところだ。
ああ、帰りたくないな…。
そう思う元凶は、平野さん。
なぜかわからないけれど、いつも私が学校が帰る時間を把握して玄関で待っている。
そして、いつもいつも玄関にいて、ハグしてくる。
流石に中学生になるとやめるよね、と思っていたが、その後も変わることがなかった。
家に帰ると毎回ハグは、流石に気持ちが悪い。
はぁ〜…。
私は深いため息をついた。
「すっげーため息つくのな。」
へっ!?
突然横から聞こえた声に身構える。
「ははっ!いいね、面白い。」
もう脅かさないでよ〜…。
「で、夢宮さんのため息の理由は?」
スッと、新野君の顔が目の前に来てビクッとする。
「言いたくありません。」
私がそういうと、新野くんはムッとした。
「ヤダヤダヤダ〜きーかーせーてー!って言ったら?」
「言いません。」
ふざける新野くんにピシャリと言い放った。
すると、新野くんは大袈裟に肩をすくめると、はぁ〜…とため息を漏らした。
それから、
「僕の今のため息の理由教えよっか?」
と、言ってきた。
「わかるから大丈夫。」
「酷いよ〜冷たい〜!」
口を尖らせてふざけて言う新野くん。
いつのまにか、一緒に帰る形になっていて、ふと気づくと、遠くに自分の家が見えた。
「あ、新野くん、私こっちだから…。」
そう言って、指を刺すと、新野くんは首を振る。
「送ってく。」
そう言った新野くんに、さらに好感度が上がった。
や、優しい。
なんだかんだで面倒見もいいし、会話も弾むし、そんな新野くんのことが嫌いになれる人が居るのだろうか。
新野くんの周りには優しい人で溢れていて私とは大違いだった。
そう思うと、前から不思議に思っていたことを口に出していた。
「ね、新野くんって好きな人とかいるの?」
「いるよ。」
予想外の返答にバッと新野くんを見る。
耳、赤い…。
本当に好きな子がいるんだ……。
「叶うといいね、その恋!」
ニコッと笑ってそういえば、新野くんは一瞬目を見開いて、それから、ふわっと笑った。
「うん。」
わわっ、美形の笑顔恐るべし…。
あっという間に家に着いてしまった。
「じゃあね、新野くん!」
私がそう言って手を振れば、
「うん!じゃ!」
新野くんも手を振りかえしてくれた。
コメント
1件
第7話、読み終えました! 新野くんの「送ってく」の一言にグッときましたね…。普段ふざけてるのに、さりげなく優しい態度を見せるところが憎いです。そして「好きな人いるよ」の返しでの赤い耳!あれ絶対夢宮さんじゃないですか?笑 平野さんの“ハグ地獄”、中学生になっても続いてるって結構重たい空気なのに、新野くんとのやり取りで読んでるこっちも自然と肩の力が抜けました。二人の距離感がじわじわ縮まってる感じがたまらないです。続きが楽しみ!