テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「…ちゅう、や、?」
今の言葉を聞かれたかもしれない。そう思うと途端に顔が熱くなる。
「…手前、こんなところで何してやがる!!」
元気な中也の声が裏路地の静かな空間に響く
「教えないよ、そっちは?何の帰り?」
「…教えるわけねぇだろ!!」
中也の声は聞き取りやすい、でもそのせいで今は耳がとても痛い。
「うるさいなぁ、中也は相変わらず声だけは大きいんだから〜」
言葉の最後を伸ばし、煽るように言う
「…!!」
知っての通り、私は今中也の地雷を踏んだ
これは愉快犯。中也はからかうと面白い。
かなり暴力的だけど
「太宰…!次会った時はお前を倒すからな!!」
怒筋が今にも見えそうな程イラついている中也は最高に可愛い。
私たちは元から犬猿の仲、中也がキレた時ほど面白いものは無い。
本人には絶対に言わないけどね。
「倒せるといいね〜!」
強弱も何も無い、ただ高い声で明るくそう言う。
中也はこの声にキレやすい
というか煽られるとどうしてもキレてしまうのだ。
「…さ、良い子は早く帰りましょーね」
また煽ると中也は諦めたように帰っていく。
中也の姿が見えなくなる。
「…あぁ、今日も1人か」
1人帰路に着く、それはとても淋しいことだ。
「あれがあの太宰治か…いやらしそうなやつだ」
「…確かに頭が切れそうだが、ボスの命令だぞ」
「へいへいわかってますよ
じゃ、裏世界の一仕事。やりますか」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!