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猿山side
猿山「はぁーッ、はぁーッ」
今日は走ってばっかだな…と思っていると
天乃「!猿山先生、!」
珍しく焦ったように天乃先生が駆けつけた
猿山「天乃先生?どうし―」
天乃「鳥井くんが!過呼吸なったって…!」
いきなり頭の中が真っ白になった
どさり、という教科書が落ちる音で正気に戻る
猿山「なん、で、……?いつ!?どこで!?」
天乃「猿!1回落ち着けや!」
落ち着ける訳ない、大事な生徒達だ、蔑ろになんか出来るはずもない
猿山「だから俺が聞いてるのは!」
声を荒らげる
すると後ろから
捏島「やーかーらー、落ち着けって、」
落ち着いたような声で笑いながら言った
だがその目は笑っているとは程遠く、軽蔑的な目だった
猿山「……わかった、落ち着いたよ……」
こうなれば落ち着く他何も無い
捏島「良かったわ!」
また元気に笑った
捏島「あ、そうや、えっとー鳥井くん?その子に取材があるんやって、」
ついでのように捏島は付け足して自身の席に戻って行った
鳥井に、取材、この2つの言葉がくっつかなかった
取材をするとなれば親に来てもらわないといけない、その為には鳥井に会わないといけない、
猿山「!天乃先生!鳥井は…」
天乃「ん?あ、えーっと、保健室やと思うで?」
保健室を指さして答えた
その瞬間俺は走った
そして保健室の前まで走った時
保健室のドアが開いた
鳥井「……猿山先生、?」
不思議そうに見つめた鳥井がいた
猿山「!大丈夫か!!」
しまった、と思った瞬間
鳥井「ひっ、ぁ、ご、め……」
鳥井はポロポロと涙を流しはじめた
やばい、大声を出してしまった
猿山「あ〜、ごめんな、焦ってて、」
背中を撫でながら謝る
鳥井「はー、はー、だい、じょうぶ、です、」
明らかに大丈夫そうではなかった
どうしようか、と考えているとふと先程捏島が言っている事が頭に浮かんだ
猿山「あ、えっと……鳥井、鳥井に取材をしたいそうなんだが……いいか?」
1歩引いた様に話す
鳥井は驚いたような、悲しそうな顔をした
鳥井「……別に、どうぞ、」
先程の顔からは想像できないくらい、素っ気なく答えた
猿山「両親には聞かなくていいのか?」
両親、という言葉を聞いた途端鳥井はまた絶望したような顔を浮かべた後に、悲しそうな顔をした
あ、これはやばいか?と思った時、
鳥井「別に…いいです、」
また鳥井は素っ気なく答えた
だが何故だろう鳥井の声は先程よりも
冷たく、悲しそうな声をしていた