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そんな期待とは裏腹にあまり遭遇できず、数カ月は過ぎてしまった。
なんだかんだ時間が過ぎていくと期待はしなくなるもので、もうその場所を確認することすらもしなくなった。慣れてしまった。
ただ、なんの気まぐれか、ふと確認してみたくなった。覗いたらいるんじゃないか、とは別に思わなかった。まあどうせ今日もいないんだろうな、もうすぐそこだしちょっと覗こうと思った。気まぐれというのは不思議なものでたまに偶然や奇跡を引き起こしたりする。それが今日だった。
いつもの場所には☆先輩は居ないものの♪先輩と❄先輩がいたのだ。驚いた。居ると思わなかった。でも流石に会話には混じろうとしなかった。2人の先輩は仲が良い。だからもしかしたらそういう関係かもしれないという考えが頭をよぎった。そうすると割り込む形になってしまう。2人の邪魔にはなりたくない。だから逃げ去ろうとした。
ただ、僕は逃げるのが下手なのかあるいは、先輩が僕を見つけるのが上手なのか。それは知らないが案の定テンプレートであるかのように声をかけられてしまった。話に交じるのは良いのだけれど……2人はそれでいいのか…?そんな心配を念頭に、端っこに行って話し始める。
前回と違い、先輩達は何故かスマホを家から持ってきた。なんとなくで僕も家から持ってくる。学校帰りなのにわざわざスマホを持ってきてどうするんだ…?スマホで何か開いたかと思うとそれは診断系のサイトだった。
まあ…診断系楽しいけど…何診断するんだ…と思っていると、♪先輩はサイコパス診断しようと言い始めた。その発言に❄先輩はのっかって同じサイトの診断を始めた。あ、出題するとかじゃないんだ…。僕もやってみたところ思いのほか%は低く、15%だった。ちょっと毒舌寄りな♪先輩でもあまり結果は変わらなかった。意外と一番高かったのは❄先輩だった。えぇ…。でも意外で面白かったため、いじって少し煽る。ちょっとやり過ぎた。仕返しされそう。逃げよっと。逃げようとする僕を先輩は追いかける。なんだかんだ鬼ごっこが始まってしまった。若干やり過ぎたと思ったのは言わないでおこう。それのほうが面白そうだ。そこそこの速さはあったからギリギリではあったけれど逃げ切ることができた。
そこからは診断系の話も混じりつつ、談笑だった。けれど早めに帰らなければ行けなかったのか♪先輩が帰ろうとする。いや帰るのは良いんだけど…よりによって一番話したことない❄先輩と二人きりですか…?前よりは仲良くなったとは思うが二人きり…?ちょっと僕にはハードル高い…気がする。
でも先輩は二人きりになっても他の診断系をやろうと持ち出してきた。先輩は平気なのか…。それとも♪先輩はただの友達…?とりあえず頭が混乱しそうだったため、考えないようにした。
先輩と話して気づいたことは意外と話が合って、ノリの良い先輩だと言うこと。なんだかモテそう。というか彼女いそう。まあなんとかノリの良さで気まずい雰囲気になることも無く楽しく話せることができた。性格診断をやってみたり、少しふざけてるような診断もやってみた。こんな長く話してたらもし♪先輩とそういう関係でなくても、いるかもしれない彼女さんとかに伝わって怒られるのでは…なんて心配が少しずつ積もっていく。
そんな心配をよそに、先輩は僕に「スマホ貸して」と言い出した。
頭にはてなマークが飛び交いつつもとりあえず貸してみた。そして少し僕のスマホで何かをいじった後、返された。いや何したんだ…。スマホの画面を見るとそこには先輩のLINEのプロフィール。おっと…?どうやら人が心配していたのにも関わらず連絡先を登録され、交換されていた。ほんとにバレたらどうするんだよ…。彼女さん知ったら怒るよ?いるかは知らないけどさ…。
未だに混乱していたところ、いかにもどっかに行く服装をした☆先輩が通りかかる。交換されていたところを見ていたのか、☆先輩は「こいつ今日誕生日だよ」とだけ行って去っていった。
いや、情報多いって。☆先輩情報を追加して去っていかないで…。処理追いついて無いんだよ…。彼女さん居るかもなのにずっと二人きりで話しちゃってるし、LINE勝手に交換されてるしなんか今日❄先輩誕生日らしいし。ごちゃごちゃすぎる。
とりあえずおめでとうとだけ伝えといて、時間もそろそろやばいので解散した。情報を整理したかったのもあったけど。
家に帰った後、自分を落ち着かせて、なんとなくLINEの会話画面を開いたり、閉じたりする。少し顔がゆるむ。そこには彼女さんがー…と言っていた割に心の何処かでは喜んでいた自分がいた。
何処かの時計の針が少し動いた気がした。