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LINEを交換された数日後。
❄先輩からLINEが来た。といっても内容はそんな重要ではないもので、あるゲームが難しいという話だった。私はあまりやったことないゲームで、前に友達がやっていたのを横目で見ていたぐらいだった。
どう反応すればいいか分からずがんばれとだけ送る。本当はもう少し煽るような文面にしちゃったけど。少し悔しそうな文面が返ってくる。でも、この後は大した話もせず、LINEでの会話はここで途切れてしまった。
しかし、その代わりなのかなんなのか、現実での変化が起きた。まず、私が入った部活には❄先輩がいたこと。そして部活終わり二人きりで会話するようになったこと。
1つ目は本当に偶然だった。他の部活にも入ろうかと迷いに迷った末、入ったのがその部活だったのだから。最初は気づかなかったが、その後部活内で❄先輩を見かけてびっくりした。先輩も私がいることに気づいているようで、たまに目が合う。まあ、話したりはしないけれど。
2つ目は同じ部活に入ったから起きたことだと思う。同じ部活で無ければ時間帯だって合うことはない。同じ部活でもすぐに帰る人や友達と話してゆっくり帰る人もいるが、❄先輩はすぐに帰る。そして私もあまりゆっくりではないため、帰り道で遭遇する時があるのだ。
それからというものの帰り道で遭遇すれば、の話だが放課後2人きりで話すことが増えた。彼女さんがいたら流石にこんなことはしないか…?と考えるもののそんな直球に聞けるわけないので未だに分かっていない。でもなんだかんだこの時間が部活終わりの楽しみになっていたのは後の話。
たまに友達や先輩達も来て話すこともあるのだが、段々皆帰っていき、結局は2人きりになるのだ。そして長い時は1時間以上話す時もある。でもタイミングが合わない時の方が多いから月1ぐらいでしか話してないけどね。内容は全て雑談。飽きないし面白いからいいけどさ。そんな会話がしばらくは続いていた。
でもある時、私は自覚してしまった。放課後、先輩に遭遇して、雑談をして帰った。家の中は珍しく誰も居なかった。その時私は何故かずっと脳内に先輩の顔が浮かんでいた。心がずっと暖かくて、今日会話出来たことが嬉しくて。部活内でも目で追うようになった。自覚するのに時間はあまりかからなかった。確かにそのような行動をしたり、ずっと気になっていた。
私は先輩のことが好きになっていたのだ。
それを理解した瞬間、頭が真っ白になった。これからどう接すれば良いのか分からなくなって、バレないようにしなければいけないと思ったからだ。この気持ちが先輩にバレれば、どうなるかわからない。
気まずくなりたくはなかった。彼女さんがいるかもしれないのに。こんな好意を持ってしまえばどうなるかわからない。どうせ叶わない。だからせめて、友達のままでいたい。これは誰にも言わずに私の中で終わらせよう、そう思った。もしかしたら、なんて淡い期待はずっと消えなかったけれど、なるべく期待しないように過ごそう。
そう決意した翌日。神は意地悪なもので、放課後先輩と遭遇したのだ。部活中でも大変だったのに…。私は先輩を前にして、パニックになった。そして少し固まってしまった。やっぱり様子がおかしかったのか、先輩が「どうしたの?」と不思議そうに聞く。なんでもないと、どうにか返事する。
この後、何か会話したのだと思うが、何も覚えていない。私が覚えていたのはここまでだった。そりゃそうだ。どう隠し通せばバレないか、ということだけをずっと考えていたのだから。
時間が経てば多分冷めるだろうと思った。でもそんな考えとは裏腹に、私は更に好きになっていった。
時計の針がまた一刻、一刻と動き出す。